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建築士が感じる家作り雑感。 [建築]



 今、進行中の2現場の内一つは、ほぼ直営工事に近い形態の為、私が材料の発注、時には掃除、作業手伝い等、施工に非常に近い立場にいる。



 世間では、とっくにブラックボックス化したと思われている家作りが、毎日自分の目の前で日々の営みとして、ゆっくりではあるが確実に動いている。



 本当に事件は現場で起こっているんですよ(笑)。

雨の上がった翌日の晴天の日には、家中で「パキッ」と音がしますが、これは木の表面が割れる音です。ただし、強度には影響ないのでご安心を!!



 実際に現場で手を動かしていると、いろいろ気が付くことも多く、本当に「現場で学ぶ」という先人の教えを痛感する場面も多い。



 特に我々設計を生業とするものは、どうしても図面を書くことが目的だと錯誤しがちである。あくまでも図面は建築のための手段なのだ、という大前提が忘れられているように感じる。



 例えば杉の柱1本とっても、自分が修行した事務所では、等級を明記する事だけに神経が行きがちで、木そのものの表情を見るような業務は無かった。それは大工の仕事なのかもしれない。でも、大工だけの仕事と決め付けてよいのだろうか?

 等級で言えば、

無節>上小節>特1等という具合にランク付けされ、上位のものほど高価となる。12センチ角の柱の特1等が1本3000円だとすると、無節のものでは数万円も珍しくない。

 だが、必ずしも「木の表情・雰囲気」が等級通りだとは限らない。まさにそれは感じる人の感覚の差であり、家全体の雰囲気との調和なのではないかと思う。さらにコストコントロールにも大きく影響する。ここで現場の知識の差が出ると信じたい。仮想現実ではない実体験は嘘を付かない。



 適材適所な気配りを心掛けるためには、やはり木材を多く見てセンスを磨く必要があるだろう。幸い、最近静岡県産の良質な杉を扱う業者と知り合った事もあって、勉強の舞台は整いつつあると言える。



 「ランク」「等級」と言う言葉が嫌いな私。

飾らない木の家の設計が一生の課題になりそうだ。



大林勇設計事務所
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コメント 2

hiro

いい事言いますね。<br />
建築は奥がとっても深いから、勉強する事だらけですよね。
by hiro (2006-08-15 00:55) 

isamu

現場は、本当に勉強になりますね。
by isamu (2006-08-18 23:26) 

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