高い家、安い家 [建築]
昨日、完成見学会をしてお客さんとお話をしながらあれこれ考えました。
安い、高いの判断基準って何なんだろう、ってこと。
私はいつもコストの話をする時に話すのは、「安く済ますには水を使う工事を減らすこと(乾式工法なんて我々は言いますが)。内部や外部の左官なんて論外で、安くするには工程を減らして一発で仕上がる素材を使うことが安く家を建てるコツです。」なんて少々逆説的に説明しています。
要するに手間が掛かるもの(もちろんそれは価値を伴うべき)は,それなりに費用が掛かってしまうのです。壁紙1?と漆喰塗り壁1?は同じ値段ではなく、3倍くらいの差が有りますがその差を高いと感じるか、妥当と感じるかは人それぞれなのではないでしょうか。それはどちらが良いとか悪いという話ではなく、家を建てる人の価値観のもとに決めることであって正解なんて無いんだろうな、と私は思います。
ただ、予算も限られているからそんな高いもの使えないよ、なんて意見もあるかと思います。仕様をガクンと落とすと、家族にガッカリ感が生まれそうですから観点を変えてみましょう。
名付けて「薄いダシをいっぱい作るなら、濃いダシを少し作ろう」作戦です。料理していて思いつきました。つまりエキスを濃縮するのです。
何年か前にお客さんから学んだのは、驚くほど少なく厳選した荷物で暮らす「技術」ってあるんだな、ということ。
荷物も少ないから収納も絞ることが出来る。間取りを単純化できるから値段も安くなる。木が古びる感じが好きだというから塗装も省く。ウルトラCの技も使いましたがその結果、私も驚くほど安価で工事を済ませることができました。
そのお客さんには 当事務所が目指すべき価格調整の方法を教えてもらった気がします。捨てる技術とか断捨離の考え方って実は住宅のコストにも直結するんですよね。
引越し準備中の我が家、いらないモノはどんどん整理予定です。
大林勇設計事務所
2012-01-10 19:15
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