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美しい建築見学「江之浦測候所」(神奈川県小田原市) [建築]

こんにちは、大林です。

最近はすっかり涼しくなり、寂しいくらい。

 以前住んでいた借家から引越する際に持ってきたエアコンが突如故障。
夏の間、夜寝る前にちょっと掛けるだけなので古くてもいいかと使い続けていたのですが、8月末にコンプレッサーがウンともスンとも言わないため、隠蔽配管を活かし新品に交換。 臨時出費が痛い大林です。

 さて、以前お話の続き。

熱海と小田原の間にある建物見学に、余っていた青春18切符で行ってきましたよ、というお話。

仕事柄、気になる建築は規模問わずWEB、雑誌問わずマークしているつもり。

勉強というか趣味ですね。 建物が好きな気持ちは、小学校の遠足で明治村がお気に入りだった時から変わってはいない。

 この1年くらいは「小田原文化財団・江之浦測候所」が上位マークスポットでした。
測候所とはいっても、ここに望遠鏡があるわけでも天文台があるわけでもなく、写真家・現在美術作家の杉本博司氏の収集した美術品が展示されている場所。

 中学生以下入場禁止ですし、入場料3240円(2018年10月以降、展示物も増えるが3780円にアップ)ですから、家族旅行とは無縁なスポットでしょうが、美術・建築好きなオトナの方にはお勧めしたいスポットです。

 予約制ですからね、くれぐれもふらっと行かないようにご注意ください。

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まず、最初に目にするのが「明月門」。 室町時代に建てられ、関東大震災の半壊を経て収集家に保存され、近年では根津美術館正門として使われていたものが、2006年根津美術館建替えの際に小田原文化財団に寄贈され、解体修理を経て再建されたというのですから、いきなり鮮烈なパンチを食らった気分にもなります。 出だしから室町時代ですから・・・。

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まずは、こちらへと案内されここでブックレットを受け取り、説明を受けます。

「展示物の隣に説明文は無いので、ブックレットを参照してください。」とか「止め石の先には行かないでください。」とかごく簡単な説明を受けます。 適度に放置されて見学に専念できます。

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説明を聞いていたこのテーブルが、樹齢1000年を超える屋久杉だったり、お寺の手水鉢だったり、本当に気が抜けません。

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ふと目をやると、室町時代の古信楽井戸枠がしれっと展示されている。 北大路魯山人が買い求め、その後小林秀雄が鎌倉の自宅で愛で親しんでいた・・・。 あちこちにとんでもないものが風景になじんで展示されているので気が抜けない。 確かに中学生以下お断りなのもよく分かる。

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夏至の日の出方向の海に伸びる100mのギャラリーに心奪われる。

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中には何点かの海の風景。 背面は古材の大谷石。

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時を経た圧倒的な深み。

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先端まで出ると美しい海岸線が見える。

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知らない人が見たら、ただの大きな石? 説明を読むと、京都五条大橋礎石(桃山時代)・・・恐れ入りました。

途中から、あちこちにゴロっと展示されている往年の「名選手」との対面が楽しくなるほどの美術品鑑賞。 幸せを感じる大満足の2時間でした。

熱海小田原方面に行かれる方は是非!

大林勇設計事務所


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