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「家づくり再入門」編⑩ 2階に浴室も悪いことばかりでもない。 [建築]

こんにちは、大林です。

 ブログをサボっているうちに、浜松市が日本最高気温41.1度を記録していました。
我が家の芝生もぐったり、暑すぎてセミも鳴かない、異常事態でした。

さて、今日は家づくりで必ずぶつかる取捨選択について。

 設計の機会があるたびに、目の前にある敷地をどう料理するかというのは私にとっても大きな楽しみでもあります。 もちろん、そこには重い責任が伴うわけですが、建築士の技量の発揮のしどころです。

 人間当然のように高齢化していくわけですが、将来のことを考えると、平屋がいいなあ、という話によく遭遇します。 ただ、要求諸室を頭の中で並べてみると「土地に納まらない・・・」ということはよくあります。 クルマってものすごい場所取るのです。 それがインナーガレージだったりするともう大変。 1台でほぼ7畳くらいのスペースを消費しますのでなかなかワガママな存在です。

 現実的には敷地の面積が限られているのであれば、何かの機能を2階に上げる必要が出てきます。

あるいは考え方を変えて、1階に納める要素を集約してしまうか。 欲しい物がすべて1階に納まらないのであれば、発想の転換が必要になります。

 一般の方が欲しい部屋を並べると、かなり高い確率で大きな1階と個室だけの2階になることが多いと思います。1階の要素をちょっと2階に移動したいですよね。

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 平地で玄関を2階に上げることはなかなか無いですが、リビングを2階に上げる、水回りを2階に上げる、という方法は階段を緩やかに使いやすくすることで、有効な解決策となりえます。

 私の家は2階寝室で、同じく2階に洗面・浴室があります。 浴室使用時に脱いだものを洗濯機に入れ、2階で洗濯し室内干ししたりバルコニーに干したり、乾けば2階のウォークインクロゼットや子供部屋に収納する流れとなり、基本的に1階に洗濯物は下りて来ないつもりで設計しています。

 これは、私の場合は1階で仕事をしていることもあり、衣類を1階に下ろしてくることを避けたかったための策でしたが、階段が緩やかなこともあり8年暮らしてみてこれはこれでうまく行ったと考えています。

 階段の話が出てきましたが、階段を緩くするためには1階2階の垂直距離(階高)も重要になります。 家づくりは人生と同じように○と✕で簡単に採点できるような性格のものではないと思います。 中間領域である△をどう考え、どう扱うか、思い込みと先入観を排した寛容性が暮らす側にも必要になります。  そこが家づくりの楽しみだと日々考えています。

 模範解以外の特殊解が意外と暮らしにフィットすることもある。

大林勇設計事務所
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