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簡単なようで奥深いのが屋根の世界 [建築]

こんにちは、大林です。

 久しぶりの雨ですかね。 趣味のマラソン大会や何かイベントがあると割と天気予報は気にしていますが、通常モードの場合は成り行き任せです。 まあ、天気はコントロールできませんからね。

 北海道にある父の実家から秋に届いたジャガイモのうち、芽が出た部分は庭の小さな畑に植えたり、大根の種を蒔いたりして発芽を楽しみにしている私にとっては恵みの雨でしょうか。

 
 さて、先日専門学校で学生の住宅の設計を見ながら、屋根のことを色々考えました。

・軒を出す?出さない?
・材質は瓦?それもイブシ瓦?陶器瓦? あるいはガルバリム鋼板?
・勾配はどうする? 勾配があまり緩いと台風の時に雨が入るぞ。
・切妻なの?寄棟なの?棟は東西方向?南北方向?
・最初は、フラットルーフにしがちだよね、ウンウン分かる。

とか、初心に帰って意識することがあり、私にとっても良い経験でした。

 個人的に、費用を考えずに総合的に考えてどれが好き?と聞かれたら、「イブシ瓦」ですかね、と多分答えます。 

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 イブシ瓦とは・・・引用>>「いぶし瓦は釉薬を使わず、焼成したあとに空気を完全に遮断、「むし焼き」にする燻化工程が特徴です。このときLPGなどで素地表面に銀色の炭素膜を形成させます。
釉薬を用いず、素焼きにしたり、金属酸化物を原料に練り込んだり、窯内の雰囲気を酸化、還元などコントロールすることで独特の窯変色を出す瓦は、いぶし瓦と同じ無釉系でも燻化工程がなく、無釉瓦として区別します。」<<引用終わり
(出典 愛知県陶器瓦工業組合公式サイトより)

どちらかといえば和風が好きな私には、魅力的な素材です。

 実務家である私としては、新築のときだけでなく、長く住んでいただく際のメンテナンスまで考えると、ほぼメンテナンスフリーな素材である瓦という素材はオススメしたい素材です。 ただ、ガルバリウム鋼板(略称:ガルバ)とは初期費用が当然違いますので、10年後に塗り替え費がかかるとしてもガルバで初期を安く済ませるのか、あるいはその逆で高くても初期で瓦に費用をかけるのか、このあたりは建主の方の判断にもよります。

 また、勾配についても好みが分かれるところです。 特に流れ方向に長い建物でズンズン登っていくと、平屋のつもりでも2階建てのように巨大化していく傾向があります。 実際に住宅地を通るとそんな家がたくさんあり、胸が締め付けられる思いです。 3から3.5寸勾配(材質により4寸)くらいが威圧感がなく、個人的には好みです。

 街並みにそっと溶け込む家を設計したい私としては、「街並みに優しい」デザインという言葉をよく使います。 突っ張っている形よりもそっと寄り添う地味だけど上質な存在感を目指しています。

 自分の家が、外から見て突っ張ってませんか? そんな観点で街を眺めるのも良いでしょう。

大林勇設計事務所



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