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土地を買う前に要チェック。 [建築]

こんにちは、大林です。

昨日は、北風ビュービューでしたが、今日は割と穏やかそう。
冬も近づき、長男次男のダブル受験も近づき、ハラハラする季節です。

 さて、今日はよく相談のある、土地選びのお話でもしましょうか?
書き始めると延々と続くので、一般の方でもできそうなところを何点か。

 まずは、最近は便利なもので、インターネットで大抵のことは分かります。
情報の発信源が信頼できるものであれば、活用できるものは活用すべきです。

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順序もつけにくいので順不同で。

①手始めにグーグルマップやストリートビューを活用。

グーグルマップ
https://www.google.co.jp/maps/

住宅地なのか、山なのか、畑が多いのか、などの大まかな様子を把握。
真南に大きなマンションが無いかとか、街が古いのか、新興住宅地なのか、などの情報が得られます。

タイミングによっては、解体前の建物が平家だったのか2階建てだったのか、敷地のどのあたりに建っていたのかなど知ることができます。

購入には至りませんでしたが、傾斜地の竹やぶの盛土造成の土地だったことが分かったこともあります。

②その道は、本当に「道路」なの?

 建築基準法第43条で、「建築物の敷地は、道路(略)に2m以上接しなければならない。」と決まっていますので、当然遵守する必要ことが大前提です。

 ただ郊外では、道路と思っていたものが道路ではなかった、という不思議な事態が稀に起こりますので、その道路は本当に建築基準法上の道路なのかを確認する必要があります。

浜松市の場合は、WEBで公開されています。 

浜松市道路台帳
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/dourohozen/daicho/index.html

 
③公図・登記簿謄本のチェックもぬかりなく忘れずに

土地の形や面積、所有者、抵当権の有無などあらゆることが分かります。
誰でも、法務局で閲覧、入手できます。 また、法務局ほどリアルタイムではありませんが、区役所でも「土地台帳」として閲覧することができます。

また、有料ですがWEBでも閲覧可能です。

https://www1.touki.or.jp/


また、②と大きく関連しますが、道路と思っていた部分が他人の土地だったなどの問題は公図と謄本の情報で判明します。行き止まりの進入路の場合にありがち。

②と③は、超重要事項ですので、どんなに破格で掘り出し物のように思える土地でも念入りに調べてください。 たとえ、駅が近いとか、子供の学校が近いとか、好条件がそろっているように思えても、家が建てられなければ意味がありません。

④行政の都市計画マップも見てみよう。

浜松市の都市計画マップの場合はこちらです。

https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/toshikei/city/toshikei_gis/index.html

 家が建てられるエリアなのか、どれくらいの大きさの建物が建てられるのか、といった情報がこちらで分かります。 あくまでもエリア的に建物が建てられるか建てられないかの区分なので、地盤が良いとか悪いとか、水害のリスクが多いのか少ないのかなどの情報は、他の手段で調べる必要があります。

⑤市町村の防災マップ。

④に書いたように購入しようとする個別の土地については、まだまだ調べたいことはあります。

例えば、浜松市の防災マップ。

https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/bosai/bosai/map/

もう一つ、静岡県の土砂災害情報マップ。

http://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-350/sabouka/dosyasaigaijouhoumap.html

土地の標高を見るには、国土地理院の地図。

https://maps.gsi.go.jp/#5/36.104611/140.084556/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

異常気象のせいなのか、水害、土砂崩れが以前に比べて頻発しているように思います。 事前リサーチにより分かることもあります。 


⑥無料公開されている地盤調査の結果も貴重です。参考に。

ジャパンホームシールド株式会社という地盤調査会社の地盤サポートマップでも地盤の傾向がよく分かります。川や海の近い低地は、一般的にピンク印です。

https://supportmap.jp

このあたりまで総合的に情報を調査するとかなりのことが分かると思います。


あとは、あるサイトでちょっと調べると安心かなと思う事項があります。この話はWEBに書きにくいので直接お会いした時にでも。

大林勇設計事務所
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水窪町に秋を探しに。 [建築]

こんにちは、大林です。

 浜名湖ラグビースクールで、長男と一緒に楕円球を追いかけていた子が所属する東京高校が、昨日の東京都大会で優勝し、高校ラガーマンの聖地、花園ラグビー場の全国大会に出場とのニュース。

隆也くん、御両親おめでとうございます。 スカパーオンデマンドで応援します。

 同じ日に私は、浜松市天竜区水窪町にある山住神社に行ってきました。

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 境内に誰もいない日だと寂しいかなと思っていたのですが、年に2度の例大祭の日にドンピシャで当たり、若干の賑わいの中参拝してきました。

 仕事柄、こんな建物作ってよ、と依頼されたらどうやって作るかなという目線で見ているので、

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当然こういう部分に目が行くわけで、

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もっと言えば、見どころはココ! 実に興味深い。

標高1000m近いので、思ったよりも寒く、手がかじかむほど。
空気が澄んでいて、心が浄化されたようでスッキリ。

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モミジの色づきも良く、

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車を停めてパチリ。

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レンズ何種類か持ってくればよかったか。

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何気ない土留めが綺麗に苔むしていたり、趣のある山里でした。

北大の後輩が水窪町の出身で、「帰省するときは豊橋から飯田線で帰ります。」と言っていたことを思い出しました。 U山くん、今どこにいるのだろう。

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NHK大河ドラマ、井伊直虎に登場した高根城も通り道だったので訪問。

今では同じ浜松市ですが、水窪町ステキな町でした。
来年もこの時期に行こうかな。

大林勇設計事務所
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建物の長寿命化と再生 [建築]

こんにちは、大林です。

 9/20に始まったラグビーワールドカップも11/2で閉幕。
すっかり寂しくなりました。 ロスです、完全にワールドカップロス(泣)。
開幕時に比べれば44日間ですっかり寒くなってるし、寂しさ倍増。

この話を書き始めると長くなるので、また別の機会に。

 今日は、建物の寿命と再生の話でもしましょうか。
この件、最近とても気になっています。

きっかけは、3つ。

・定年を過ぎた、ある方の実家仕舞いのお手伝いをしたこと。
・定年を過ぎた、ある方のお住まいのリフォームをしたこと。
・現在、遠方に住む友達のお父さんが亡くなったこと。

 現代の暮らし方、家族の在り方では、私にとっても非常に身近な話題で、どちらも我々世代にとっては考えなくてはならないことだな、と感慨深く心の中でふわふわ、同時にモヤモヤと漂っておりました。  相続にも関係してきますので、お子さん世代との対話も必要。

 立地によっては相続の際に、「住めもしない遠くの家を相続しても却って困る」というケースもあり、金額的に折り合いが付くのであれば処分して流動性の高いマンションにする方法も相続の解決策の一つでしょう。

 ただ、都内と違って郊外ではまだまだ、地面に着いた生活が好まれるのも現実。地に着いた建物を長く使うことを考えてみましょう。

 当事務所の考えとしては、現在建っている家も、これから作る家も、「基本性能の充実」と言うのがスローガン。 少なくとも、ここさえ充実していれば、リフォームや再利用の可能性が開ける。

 仕事で相談を受ける際でも、中途半端な建物のリフォームが一番厄介。 依頼主が投資する金額に対しての満足感が得られにくいケース。 依頼主の立場からすれば「コスパが悪い。」ということです。 

 建物に価値が認められれば、壊さなくても需要が発生し、空き家問題の解決への道の一つになるのでは。 借家としてももちろんのこと、カフェ店舗やレンタルスペースとしても建物の第二の人生(建物も人生っていうのか?)がスタートします。

大事なのはまずは、骨組み。

骨組みさえしっかりしていれば、将来的な建物の長期利用も可能となる。 逆にここがしっかりしていないと安全が担保できない。

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築150年以上の古民家もこのように新たな命を宿し、愛される。

 第一、家電や設備が充実していても、建物が倒壊しては、一番大切な居住者の生命が脅かされる。

 世の中の9割以上の家では、天井が張られ隠れてしまうために、作り手にも購入者にも骨組みに対する意識が非常に薄いのが実情。 上棟風景を見ても、「ギリギリの構造だな」「細いな」と思うことはしばしばあります。  設計者の立場の人が、木組みに関わっていないケースもあると小耳にはさみ、非常に驚くことが良くあります。 

 次に大切なのは、屋根材でしょうか。

 趣味のジョギングに出かける際には、仕事柄、劣化した屋根が目に入ると非常に気になります。
コロニアル、カラーベストと呼ばれるスレート屋根が色あせしてコケが生え始めると危険なサイン。

 何が危険かと言うと、塗膜が劣化して水を吸い始める→屋根を構成する木材が痛む&雨漏り→家全体が痛む、という流れになります。

 劣化に強い材料としては、瓦屋根、色あせの塗替えの必要はありますが金属屋根をお勧めしたいと思います。


 建物を長く活用するためには、骨組と屋根をケチらない。 

これはたとえ、

・トイレの便座を普通便座に格下げしても、
・テレビを60インチから40インチにスケールダウンしても、
・キッチンの天板を人工大理石にランクダウンしても、

大切なことです、お忘れなきように。

美しく健やかに歳を経ること。 人間も建物もそうありたい。

大林勇設計事務所

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