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落ち着く住まいには、緑が名脇役。 [建築]

こんにちは、大林です。

 一気に梅雨明けで猛暑・・・。 異常に暑いな、と思っていたら、今週は雨続き。
先週、家庭菜園が伸び放題だったので、片付けてみました。

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 草やら枝やらを一気に片付け、大根の間引きやら掘り忘れていたじゃがいもの収穫など、溜まっていた宿題を一気に片付けたような爽快感。

 緑があると見た目はもちろんですが、実際に手を動かし手入れすることで、心のリセットができる気がしますね、ホントに。

 「長雨が上がったら、芝刈ろう」とか「折れちゃったトマトの枝も土に差しておけば、長雨で根がつくかな」とか、考えるのも楽しい。 (ふと思い出して、先程見たらバッチリ蘇生しておりました。)

家づくりは暮らしづくり、かなと最近再認識中です。

大林勇設計事務所

 


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ていねいな暮らしを再認識 [建築]

こんにちは、大林です。梅雨入りですかね。

先日のこと、大学の研究室の同期のススム氏より、スマホにピロッと連絡が入る。

「ウッ!」ついにこの日が来てしまった、と。

 私が建築の道で生きていくことに決めた「源泉」のような存在だった恩師、荒谷登北海道大学名誉教授の訃報だった。 私が24歳で大学院を修了した時に、定年で退官され、「一緒に卒業だなあ」とお話したくらいなので、十分長生きされた方ではないだろうか。

 2017年に札幌でお会いした時もやはり年齢なりにはお年を召していたようではあったが、それでも遠くにいても恩師の存在は偉大で、飛行機で飛んで行ってもこの世にもういないかと思うと、寂しさが募る。 今となってはあのときお会いしておいて本当に良かった。 その点では、後悔はまったくない。

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 私の結婚式のために遠路、浜松まで来てくださった際に「新しい本が出たよ。」と頂いたのが左の本。 よく考えると、どの本も頂いたり、教科書として直接手渡しで買ったり、どれも本屋の店頭では買った記憶がない。 貴重な環境だった。

 学生の頃は自分で家を建てた経験があるわけもなく、もちろん実務経験もゼロ。 建築環境工学の研究室に所属していながら、その恵まれた環境を十分に生かしていたとは正直言い難い。 当時の自分に「喝」を入れたいくらい(笑)、本当に反省。

 私の就職を本格的な採用試験をすっ飛ばし、電話1本で決めてくださったことも今となっては懐かしい思い出だ。 そして、その会社の社内講習で一級建築士を25歳で取らせてもらい、妻と出会ったのもその会社だというのだから、私と家族の人生に最も影響のあった人、と形容しても過言ではない。


 先生に習ったことは、数式と仮論よりもその根底にある思想のようなもの。

先生との会話では「豊かさとは何か?」とか「無償の富」とか、今になって現実として心に響く言葉が多い。

 私は休日には自宅の板塀を塗ったり、庭でじゃがいもを掘ったり、自分で色々手を動かしながら、建物を大切に手入れし、心安らぐ時間を自宅で家族とゆっくりと過ごしている。 便利とは言い難い郊外でもこうして心地よい暮らしができて幸せだな、と先生の言葉を思い出す、今日この頃。


 先生がかつて住まわれた、日本最初の高断熱住宅と言われる住まいは、これまた研究室の先輩のイラン人、タギ氏が手入れをしながら先生の思いを守るように大切に住んでいる。(卒業してから、2017年に再訪)

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こちらにも掲載された、建築業界では話題性のあった住宅です。



 話は逸れるがちょうど先程、住宅業界の営業マンのパワハラ事件のニュースを聞いた。
家って、車を買うような勢いで取得するのではなく、もう少し自由に熟考の上で、のちに人生の写し絵になるような大きな存在なのではないか?

 少なくとも、当事務所では数はこなせないが、規模の大きい小さいではなく、「丁寧な暮らし」をしたい人のための住まいを創っていき続けたいと、先生の訃報を聞いて強く再認識。


 先生、私はこの道で頑張ります。 本当にありがとうございました。

大林勇設計事務所


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今日から3月。高校生は卒業おめでとうございます。 [建築]

こんにちは、大林です。

 毎年毎年、不思議なほどに呼ばなくても春は来てくれる。 四季ってありがたいな、そんなことを思う3月1日です。

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 新聞を見ていると、本日は高校の卒業式とのこと。 今年は縁がないのですっかり忘れておりました。 受験後のコロナ感染のリスク回避のため、延期の高校もあるそうですが、ひとまずおめでとうございます。 同窓会総会で実行委員を一緒にやった仲間の家庭でもあちこちに卒業生がおり、喜ばしいことです。

 昔から、日程的に3月1日というのが受験生的には不安定な時期で、国公立前期試験が終わったものの、結果はまだ分からず。 私立にいくつか受かったもののどこに行くか分からず。 我が家のように、3月後半まで「持ち駒」ゼロで、大学生になれるかも分からず。のように、高校からは追い出されるものの、行く先が不明みたいな。

 私が受験生だったウン十年前は、スマホどころかインターネットもなかったため、誰がどこに進学したとか、浪人したとかなんて、次の正月に帰省した際に知るというのが普通でした。

 今日は、天気が悪いですが、それにしても春というのは一年の分岐点で、実に良いですね。 新しい進路、新しい職場で4月からスタートダッシュをするためにジックリと準備をする1ヶ月のような存在だと個人的には思います。

 そういえば今日は3月1日だ、と思い出しただけのメモ代わりの投稿でした(笑)。

今月も張り切って行きましょうか。

大林勇設計事務所
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有松の歴史的な街並みを見る。 [建築]

こんにちは、大林です。

 以前お客様から素敵な手ぬぐいを頂き、街並みにも興味が湧き、行こう行こうと思ったまま、コロナ禍に突入し早2年。 もうそろそろ良いだろうと思い、先日行ってきました。

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ちなみにこれ、京都のセレクトショップ SOUSOUさんの商品です。

その街は、名古屋市緑区の有松(ありまつ)です。

 職人の手仕事が大好きな私、絞り染めで栄えた街の様子を探るため、姫街道と東海道をたどりながら、名古屋へ。

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 はっ!今って西暦何年だっけ?とタイムスリップしてしまったような感覚。電線も地中埋設し、街並みを残すヤル気が伝わってきます。

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 まず気づくのは、それぞれの軒先に吊るされた「ありまつ」の暖簾。街並みを保存する一体感が感じられ、ひと目でファンになります。 これがまた手間のかかった絞り染めで実に素敵。

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 日曜日だったことも有り、街道沿いの歴史ある建物も無料見学開放中。こちらでは絞り染めの展示がされていました。 この建物は昔の医院!

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 こちらでも染め物の展示中でした。
寝転がって見上げるアングルもなかなか素敵でした。

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 間口で税金が決まった京都の街とは違い、街道に広く面するのがこの街の建物の特徴とのこと(街のガイドさん情報)。

 街のガイドさんとお話していて、「浜松市には、空襲でやられて古い建物が残っていないので・・・」と私が言ったところ、「私の実家は、今は浜松市になりましたが、周辺の町でして」とのこと。 なんと細江町の隣町の引佐町出身の方でしたよ。 ってことは「中学は南部中出身ですね」で話が通じてしまう地元トークにホッとします

 江戸時代はじめに東海道のお土産として、絞り染めの手ぬぐいを売り始めたのが有松絞りの始まりで、当時かなりの財を成したようです、とのことでした。 使われている木材もかなりのボリュームで、当時さぞお金がかかったことだろうと思います。

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 街道を歩いていて感じたのは、皆この街並みに誇りを持っているのだろうなということ。 もちろん文化庁の伝統建造物群保存地区に指定されてますので好き勝手に手を加えることができないのですが、各々が愛着を持って保全されているように感じました。

 京都とはまた一味違う、しっとりと何とも素敵な町並みでした。 個人的な肌感としては、お土産にしても食事にしても2/3くらいでお値打ちな印象でした。 

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車でも電車でも是非。 ここまで来たら、桶狭間古戦場も是非。 オススメです。

 この記事はまた別の機会に。

建物はもちろんですが街並みも好きな、大林勇設計事務所
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手の届く、スマートホーム化計画は、すぐそこに。  [建築]

こんにちは、大林です。

 自宅でwifi環境を整備しながら、「いやー、大昔に比べれば無線LANで随分便利になったなあ」「インターネットってスゴイ」「スマホってスゴイ」と思っていた矢先のセンター試験カンニング事件。 やはりそういう使い方をする人が現れたことに驚いております。

 私世代でカンニングで思い浮かぶのは、昔そんなB級映画がありまして、ゴムで伸びるヘッドバンドに数式か何か書いてあって、ビヨーンと伸ばして見るみたいな超古典的なズルでした。

 どうでもいい話はさておき、お客さんが壁掛けテレビを付けたいということでちょっとお手伝いしてきました。 電動インパクトドライバーを用意した上で下地の場所さえ間違わなければ、問題なく付くことが分かりました。 自在に手前に伸びるタイプもあるようですが大型テレビともなるとなかなかの重量なので、あまり気が進みません。 事前購入してもらったのは、確かこれ↓



 これから金物を購入する人は、VESA規格というTVの裏の金物のビス穴間隔が対応しているかをよく確かめる必要があります。

 私が仕事用に使っている24インチのディスプレイはVESA100の金物で手軽に簡単に付いたのですが、さすがに60インチともなるとかなりの重量で金物も大型でゴツくなり、慎重に大人二人で取り付けました。

 無事取付が終わったあと、試しに電源ONしてくださいとお願いしたところ・・・なんと、噂には聞いていましたが、「アレクサ、テレビ付けて」とCM以外で初めて聞きました。割と新しいものは好きそうなお客さんです。私も、いろいろ近頃のスマートホーム家電類を試してみたくなりました。



 面白そうなのは、テープ状のLED。 クリスマスイルミネーションのようになるのは遠慮しますが、間接照明として隠れる部分でぼやっと光るのは手軽で面白そう。 アレクサと組み合わせると、不在時にON/OFFの切り替えをランダムに制御でできる模様。ただ、問題なのは電源を供給するコンセント。エアコンコンセントあたりの高さに100vコンセントが有ると具合が良さそうなのですが、結局、線が見えるのは格好が悪いので要検討です。 今後は、コンセント設置場所に配慮が必要になりそうだと言うのが、この10年の「気づき」です。



 すでにネットワークカメラは、防犯と近所の愛すべき野良猫ズの観察に使っていて、これは手軽で面白く、おすすめしたいアイテム。お互いの理解が必要ですが、遠く離れた街に住む高齢の親の様子を知りたいなど、10年前には馴染みがなかったものでも普及効果で随分と手が届きやすくなっていることを感じます。

 流行の最先端を行くつもりもありませんが、設計する立場としては知らないよりも知っていたほうが間違いなく良いので、引き続きリサーチを続けたいと思います。

大林勇設計事務所
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コロナ禍でも良いこともある。 [建築]

こんにちは、大林です。

出だしから、皆様のお怒りを買ってしまいそうですが・・・

コロナ禍で良かったことと言えば? 
もうこの問い自体が、タブーであることは分かっています。

 でも、マイナスばかりではないことを認識して、そろそろプラスを見出しながら前を向いたほうが良いかも、というか自分はそういうマインドでありたいと思っています。

 というのも、建築関係のSNSで知り申し込んだのですが、土曜日に京都大学の建築学科平田晃久研究室のオンラインレクチャーがありました。 これが非常に面白かった。

 平田晃久氏については、以前から興味があり、従来の陰気臭いカプセルホテルのイメージを打破したナインアワーズというカプセルホテル空間を赤坂と浅草で体験済。

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 大学の講義ですから、なかなか縁もゆかりもないオジサンがノコノコと学生に混じってキャンパスに現れるのも不思議というか不審。 そういった意味では、ワールドワイドに門戸が開かれたと考えれば、「知りたい」「見たい」意欲のある方には、チャンスが増えたと考えて良いでしょう。

 登場してくださったのは、すでに世界中で作品を生み出されていると同時に、2025年大阪万博の会場デザインを手がけられる藤本壮介さん。

 地方でコンパクトな仕事ばかりしている私には疎遠になりつつある、都市と建築という観点の作品紹介がとても興味深く、時は違えど学生時代のケンチクケンチクしている空気が懐かしく思い起こされる。

 いま、地方都市に足らないのはワクワクするような都市体験なのかな。 浜松も御多分に漏れず、中心街がさびれている。 松菱というデパートの有った一等地は、10年以上も空き地。 さて、この先どうなるだろうか? 恐ろしくもあり、楽しみでもあり・・・。 魅力の薄い巨大な壁のような箱が作られないことを願う。

大林勇設計事務所
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住み手の暮らしを守る [建築]

こんにちは、大林です。

 ここ浜松でも今年は例年より寒いのか、雪がチラチラと舞う事が多いように思います。 なかなか冷えますね。

 数日前に今年も「1/17」を迎えたこと、我が家の長男が成人を迎えたこともあり、建物と住み手の関係が脳裏にチラチラと浮かびました。

 27年前のこと、高校の同級生が神戸の震災で命を落としました。 幽霊部員として私が形だけ所属していた高校の部活で、彼は真面目に練習し、その後大好きな野球に大学まで取り組んでいたそうです。 建築の道を志していたそうで、生きていたならばいつか浜松で仕事で関わっていたかと思うと、今更ながらに残念でなりません。

 ある時期から、私はWEBに残っている情報を探し、神戸大で学んだ彼や、彼以外の御遺族の手記に目を通しはじめました。 その中でも一番記憶に残っているのは、どなたの御遺族かは記憶していませんが、「成人式(当時1/15)のあと、『もう少しゆっくりしていけよ』と私は言ったのだが、息子は『やることがあるから神戸に戻るわ』と、それが最後のやり取りだった」といった趣旨の手記でした。

 今年、我が家の長男のスーツ姿をスマホに収めながら、ちょうどこの御遺族の手記が脳裏に浮かび、恐ろしくなると同時に建築に関わるものとして、人命を救うことがあっても失う元凶になるようなことがあってはいけないと強く心に誓いました。

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家づくりで私の大切にしていること

・災害から人命を守ること。
・暑さ寒さから、住み手をまもり、心穏やかに暮らせること
・自宅のこんなところが気に入っていると、住み手の心に一生残ること 

今年も家づくりに丁寧に取り組んでいきたいと思います。

大林勇設計事務所
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あれから10年、これから10年。 [建築]

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。

今朝(1/5)にジョギングした感じでは、近所の工業団地への通勤ルートのためか、車はまだまだ少ないようなので、世の中の本格始業は1/6以降ですかね。

さて、年末年始に「あっ、ウチもそろそろ築10年だな。」と思いながら、思考を整理していると、これから家を建てる人のヒントになりそうなことがあったのでザラッと書き出してみます。

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10年前の完成写真


まずは・・・
今ならこうするかな、という点を。

・市販商品の開口部の性能が大分向上したように思います。今ならYKKapのAPW330が基本路線かな、と思います。 ペアガラスの間のスペーサーは、せっかくならば「樹脂」を採用したいと思います。

・日本人は、引違い窓が普及しているために深く考えずに選びがちですが、構造上、気密性能は、開き系の窓に劣ると思います。引違い窓は必要な場所だけに、箇所を減らすだろうなと思います。

・TV機能の高度化に対する準備が少なかったことは反省要素。無線LANが普及したとは言え、安定度を考えるなら有線も用意したい。 光インターネットのルーター部からTVへのLAN配線は、用意すべきでした。 メインのTV裏にはアンテナ端子とLAN端子を。

・床下断熱は、訳アリのフェノールフォームt40が安く入手できたので使用しましたが、今ならばt90にするかな。 床下の断熱改修は現実的には難しいので、そのとき採用できる最高レベルにしておきたいところ。

・当時は28ミリ合板に抗って、根太工法を使いましたが、木材の加工精度も向上していますし、気密も取りやすいので28ミリ合板で良いと思います。 ただ、3尺角の間に合板受けを1本入れることは「タレ」を防ぐために重要かと思います。

・間取りの都合上、薪ストーブが仕事場の真反対にありますが、やはり家の中央に置けるのであれば、そのほうがベターだったかも。


続いては・・・
この部分は、再び採用する、という点を。

・開き扉を1箇所も使わなかったこと。 やはり開放的な暮らしに引き戸は一番都合が良い。 1階をグルグル回ることができる便利さは、引き戸との組み合わせで、より向上する。

・水回りを2階に設置したこと。 私の場合は1階で仕事をするため、生活感のあるものを2階に分離し、個人的には気に入っている。 2階水回りだと日々の使い勝手を心配されるが、階段は勾配を緩く設計しているため、今のところは問題な無い。 土地と資金に余裕があれば、平屋にしたかも。

・信州唐松の床は足ざわりもよく、傷も目立たず、気楽に付き合える床材。 最近、生産量も減っていると聞き、入手に困ったことがある。

・左官の壁は、ビニール壁紙と根本的に異なり、飽きることなく推奨したい素材。 我が家にはビニール壁紙が1ミリもありません。 言葉では説明が難しいが、10年経った今でも陰影の美しさにハッと心を奪われることがある。

・内部建具は、我が家を構成する主要要素。 毎日手に触れる部分だからこそ、触れるたびに「よくぞ、こんなに面倒な加工に付き合ってくれた」と職人の手仕事に感謝する。

・材木屋さんがプレゼントしてくださった存在感たっぷりの広葉樹の大型ダイニングテーブル。 食事や読書、子どもたちの勉強机として我が家の生活の中心にあると言っても過言ではない。 プリント合板物ではなく、毎日使うものだからこそ、ここには厚手の無垢材のテーブルをおすすめしたい。

・玄関や居間の大型製作引戸の断熱性能は、市販品に比べると気密性能は劣るのは承知していますが、デザインの楽しみも捨てがたいので、これは再び採用すると思います。居間の窓を全開にして、ウッドデッキ越しに庭とつながる感覚は、心が安らぐ。


 自らあれこれ悩みながら設計し、10年間暮らして体験したノウハウを今後の住宅設計に生かしていきたいと思います。

大林勇設計事務所
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街も建物の「盲腸的な凹み」が面白い [建築]

こんにちは、大林です。

週末から続く、寒さが少し緩んだかなという気もしますが、皆様年末いかがお過ごしでしょうか?

 さて、研修旅行で京都へ。 この時期は、全国高校駅伝が開催されます。 住人も開催側も手慣れたもので、割とギリギリまで車が走っており、ピタッと車を止めて選手をやり過ごし、また通行再開で、恒例行事を受け入れる体制が定着していることに驚きを受けました。

かねてから見たかったものをいくつか見てきました。

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 民藝の先駆者、陶芸作家河井寛次郎氏の邸宅を公開している、河井寛次郎記念館。 氏の暮らした様子、そのままに住まいが公開されていることがとても貴重、かつありがたいことです。 

 一般的には京都市でもいくつもの昔ながらの町家が解体され、マンションに建て替えられていると聞きます。河井寛次郎記念館以外にも、古い建物も改修を繰り返しながら、使い続けられていくケースも多く、オーナーおよび借主の教養の高さ、感性の鋭さに感銘を受けます。 運営されている店舗に立ち寄ってくれる人も多いので、経営的に成り立ち、その結果建築の延命がはかられているとも言えます。


 私はウロウロと歩くことが好きなので、手書きの看板の町家カフェみたいなところがあると、ついつい立ち寄りたくなります。 近所の常連のおじさんらしき方々が自宅の食卓のように食事を済ませ、お店の方と一言二言会話を交わし、年末の挨拶をして席を後にする様子は、浜松では余り見ない光景で、コロナ禍をきっかけに会話も減り、コミュニケーションがドライになりつつあるこの御時世ですが、ホッと暖かい気持ちになります。

今回は、写真を撮りそびれましたが、次回再訪のためメモ。 CAFE奏

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 あちこちに出かけて観察をしながら常々思っているのは、街も建物も「盲腸的な凹み」が面白いということ。

「たまり空間」とも言うのでしょうが、歴史的建築物を生かした、新風館という建物でも店舗の並びがポコポコっと出っ込み引っ込みでズレて並んでいたり、寄り道しながら通り抜けできたり、並びが真っ直ぐではタダの通路だけど、少しくぼんだところで待ち合わせしたり、一息ついたり・・・。建築の面白さが存分に感じられます。

 これは住宅でも、ダイニングがちょっと凹んだところにあると割と落ち着くことと共通なのかと思います。 人間は、本能的に凹んだところに落ち着きを感じると思われます。

 今年2021年はウッドショックという、ポッと出の新語が世の中を駆け巡り、世界中で半導体は不足し、電子部品を使った便器や給湯器が納期に間に合わないと業界ではドタバタしております。そんな2021年ももうじき終わりそう。 品不足は2022年には解決するのでしょうか? 気になりますね。

 さて、まとまりませんが、本年もお世話になりました、とこのあたりで年末の挨拶とさせていただきます。

来年もよろしくお願いします。皆様良いお年を。

大林勇設計事務所
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住宅設計の面白さに気づいてくれると良いな。 [建築]

こんにちは、大林です。
毎年、ついつい言ってしまいますが、年末は慌ただしいですね。

さて、今日は設計の話を。

1コマだけですが非常勤講師をさせていただいている、専門学校の進級設計というのかそろそろ始まる模様。 ちょっと大きめな住宅とのこと。 これが興味深く、外野ながらちょっとワクワクしている。

 私が学生時代の最初の課題は、コートハウスだった。
どんな大きさだったかな。10mx25mくらいの土地にコート(中庭)を取り囲む住宅を設計した。

今思うと、平屋で階段がないので入門編としては良かったのかもしれない。 

 ただ、大学に進学してワンルームのアパートで初めて暮らしはじめた身としては、暮らしに関する実体験が少なすぎて、平屋とは言え、収納や動線など未知のパズルに苦戦した記憶がある。 家族の荷物のボリュームなんて考えたことありませんでしたから。

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 25年近く建築設計の仕事をしてみると、外観の見栄えや地震に強いなどの分かりやすいところから、ソトとウチのゾーニング、暑い寒いのエリア分け、人間の動線、モノの動線、10年後20年後の家族構成の変化、もちろんコストも考えると、設計という行為は、なかなか複合要素の織り重なった仕事だと実感する。

 19,20歳のフレッシュな感覚でどんな住宅の設計が行われるのか、とても興味深い。 我々がいままで常識と疑わなかった点で、そうか!その手も有ったか!みたいな驚きが発掘されると良いなと思う。

 ただ、登れない階段、はしごのような階段、その他ファンタスティックな珍回答が起こる不安が無いわけではない(笑)。 しかしながら、コロナ禍で建物見学や現場見学の機会が制限され、建築への興味が希薄化しかねないこのタイミングで、自分であれやこれや手を動かし、設計行為を初体験し、実務経験者のアドバイスや批評を受けることは必ずや血となり肉となるはず。 講評会がとても楽しみである。

大林勇設計事務所
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