SSブログ

住宅設計の面白さに気づいてくれると良いな。 [建築]

こんにちは、大林です。
毎年、ついつい言ってしまいますが、年末は慌ただしいですね。

さて、今日は設計の話を。

1コマだけですが非常勤講師をさせていただいている、専門学校の進級設計というのかそろそろ始まる模様。 ちょっと大きめな住宅とのこと。 これが興味深く、外野ながらちょっとワクワクしている。

 私が学生時代の最初の課題は、コートハウスだった。
どんな大きさだったかな。10mx25mくらいの土地にコート(中庭)を取り囲む住宅を設計した。

今思うと、平屋で階段がないので入門編としては良かったのかもしれない。 

 ただ、大学に進学してワンルームのアパートで初めて暮らしはじめた身としては、暮らしに関する実体験が少なすぎて、平屋とは言え、収納や動線など未知のパズルに苦戦した記憶がある。 家族の荷物のボリュームなんて考えたことありませんでしたから。

IMG_0607.jpg

 25年近く建築設計の仕事をしてみると、外観の見栄えや地震に強いなどの分かりやすいところから、ソトとウチのゾーニング、暑い寒いのエリア分け、人間の動線、モノの動線、10年後20年後の家族構成の変化、もちろんコストも考えると、設計という行為は、なかなか複合要素の織り重なった仕事だと実感する。

 19,20歳のフレッシュな感覚でどんな住宅の設計が行われるのか、とても興味深い。 我々がいままで常識と疑わなかった点で、そうか!その手も有ったか!みたいな驚きが発掘されると良いなと思う。

 ただ、登れない階段、はしごのような階段、その他ファンタスティックな珍回答が起こる不安が無いわけではない(笑)。 しかしながら、コロナ禍で建物見学や現場見学の機会が制限され、建築への興味が希薄化しかねないこのタイミングで、自分であれやこれや手を動かし、設計行為を初体験し、実務経験者のアドバイスや批評を受けることは必ずや血となり肉となるはず。 講評会がとても楽しみである。

大林勇設計事務所
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:住宅

「たかが学区、されど学区」の切実な問題 [建築]

こんにちは、大林です。

 毎年のことではありますが、あんなに暑かったのに段々涼しく、というか寒くなり、四季の移り変わりを楽しんでいます。 そうして人は歳を取って行くのですね(泣)。

 その結果、49歳になりました(笑)。

 さて、今日は家づくりの一合目で誰もがぶつかる話を。 そう、一番最初の土地探しです。

 先日、土地取得に関係して、「子供の学区が・・・」という話を同時期に複数の方から聞きました。 ある方は、現在住んでいるアパートのエリアから離れようとしたら、中学生の子供さんに泣かれ、家族会議になったとか。

 我が家の場合は、田舎なので学区がもともと広く、実家に近いエリアの中でどの土地を買っても小・中学校に変化はなく、さらに土地が安いので好きな大きさを切り売りしてもらう事が可能で、土地取得に関してはかなり恵まれていたように思います。

土地売買の際には「半端な余りが出たら、親族が家庭菜園にするから90坪でも100坪でもいいよ。アンタは何坪欲しい?」、とまるで肉の量り売りのような土地取得でした。 これが、2宅地、3宅地に割るから〇〇坪ね、と面積を決められていたら今ここでこうしてブログを書いているかは分かりません。

 ただ、やはり同じ浜松市でも街中の場合は、学区も狭い上に売り物件が少ないエリアも有り、まず自分の欲しい大きさの土地がない(広すぎる、狭すぎる)、さらに競争率が高いので坪単価が高く、土地に資金計画を振り回されるケースを多く見てきました。

 そこで、狙っていたエリアから少し離れて、都合のいい大きさで手頃な値段で、「おっ!いいね。」と思う土地が見つかったとしても、「学区が違う」、「友達と離れ離れになる」、「馴染めずいじめられたらどうする」となると、やはり現在の生活範囲で土地探しをすることとなり、希望条件の土地が出てこず悶々とした土地探しを続けることになります。

「たかが学区、されど学区」

 大きくなれば、高校、大学、就職、転勤と新しい出会いの連続で、いつも「転入生」状態なのですが、エリアが変わることは小さなお子さんには大きな問題ですよね。

 パパママ世代は、まずは待ち受ける学区問題をクリアするために、運命の土地を縁やコネも利用した上で、祈りながら待つほかありません。 これは、結婚して最初に住むエリアがひょっとしたら後々に影響を与えるということかもしれません。

これがシニア世代と異なる、若夫婦のマイホーム取得の第一関門です。

2021-11-11 13.28.50.jpg


さて、写真は、先日ご来場頂いた小さなお客様からのプレゼント。 自分の家の子供が大きくなった今、まるで心が洗われる思いです。 ありがとうございます。

大林勇設計事務所


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:住宅

居間に階段がないと、子供がグレるって本当ですか? [建築]

こんにちは、大林です。

寒くなってきましたね。 気温が下がると、趣味のジョギングは調子が良くなるのですが、日常生活では着るものに悩みますね。

土曜日に薪ストーブの煙突掃除をし、試運転も兼ねて焚いてみました。 夏場のゴーヤのツルを放置しておいたところ、枯れてカサカサになっていたのでこれを最初に焚いてみる。近所でもらったみかんの木の幹なども何本か投入。

灰は後日畑に撒くので、エコというかセコというか、小さな循環が楽しい。

_MG_7425_ShiftN.jpg

 今日の話題は、個室と玄関の位置関係も含めた、家の中の階段の位置。

家のプランを考えながら、ふと思ったこと。 この手のネタは割と走っている時にポンと思いつくことが有ります。

自宅を建てる時に参考までに住宅関係の「HowTo本」にも目を通しましたが、記憶にあるところでは・・・

・帰って、玄関からすぐ個室に上がれるような階段の位置だと子供がグレやすい。
・階段は、家族のいる居間から上がるようにするのがBEST。
・(1階に個室の場合)玄関から親が知らないうちに勝手に夜出かける可能性がある。

とか、今思うと不思議な記事を見た記憶があります。

 特に、お子さんがまだ小さい家庭での家づくりの場合、このようなヘンテコ記事を拠り所にしてしまうと、文字通り教科書のような家しか出来上がりません。 


 自分の子がある程度大きくなって、子育てを俯瞰的に眺められる歳になると色々分かることもあります。  皆さん、ちょっと待って待って、じっくり考えて。 子供が巣立つまでの時間よりも夫婦で過ごす時間のほうが圧倒的に長い。 当たり前ですが、永遠に子供は幼稚園児ではないのです。

・玄関で物音がしてガラッと子供が帰ってきたら、親も気づいて「おかえり」と声をかけるだろうし、子供だって「ただいま」くらい言うだろう。

・居間に階段がなくても、帰ってきた子供の存在に気付きましょうよ。そもそも子供のほうが早い帰宅の場合もありますし。 親と子供の帰宅時間は家庭によりマチマチですし、そもそもお腹が減れば「何か食べるもの無い?」と普通なら反応があるはずです。 

・玄関から勝手に夜出かけるって、間取り以前の問題なのでは? 階段がどこにあっても夜中に出掛けられたら、親だってすでに寝ているはず。


当事務所では、玄関・階段・個室問題についてメリット・デメリットの総合判断をお勧めしております。

・敷地と予算に余裕があれば、平屋はオススメではありますが、地面から敢えて離れることで得られるメリットも(眺めや採光など)。

・2階リビングは毎日の上り下りを考えると不便という意見もあるが、近隣の視線など環境を考えると、緩やかな階段と組み合わせると、メリットがデメリットを上回る場合も。

・1階リビングにこだわると、どうしても1階は肥大化し、2階は個室のみになりやすい。 基礎は増え、下屋も増え、敷地によっては建ぺい率ギリギリになる可能性も。

・むしろ、共働きの親のほうが帰りが遅い場合は、(1階個室の場合)「帰ったよー」と声をかけるのも好都合かも。

家づくりは奥が深く、無限の選択肢があります。 楽しい泥沼(?)なんて噂も。 だから、面白い。 

大切なのは、自分自身の問題としてよく考えること、ですかね。 

大林勇設計事務所

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:住宅

洗面と脱衣が離れるとどうなるのか。 [建築]

こんにちは、大林です。

10月になり、秋の虫の声が聞こえてきたり、庭木の葉が落ち始めたり(乾燥が続いて枯れたのかと一抹の不安も)、長男も次男も後期の授業が始まったようです。

さて、間取りを考えながらふと思ったことを。

仕事柄、定番的な「落とし所」はどの業界にもあるだろう。

浴室の手前に、1坪の洗面+脱衣。 定番というか「あるある」に近い。我が家は安易に、「あるある」で納めてしまったのですが、洗面と脱衣という機能を分けるのも有りなのでは?と最近感じつつある。

浴室の前は、文字通りカゴを置いて脱衣のみ、あるいはここに洗濯機を納めるもよし。広さは1帖あればいいだろう。

そうすると洗面部分は、脱衣という行為がないので戸で区切らなくてもいいかなという気もしてくる。

家全体の構成によっては、玄関に近いところでコロナ感染防止の手洗いの役割を果たすかもしれないし、洗面と切り離された洗濯機が台所近くに移動し、家事動線の短縮にもつながるかもしれない。

_MG_8704.jpg

写真は、脱衣機能から離れた洗面と洗濯機が台所の隣に移動してきた例。

定番を疑うと、新しい可能性が開けるかも。だから住宅設計は奥が深い。

大林勇設計事務所
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:住宅

建築を学ぶ若い世代と会う [建築]

こんにちは、大林です。

もう9月ですよ。今年も残り4ヶ月だなんて・・・気づかなかったことにしておきましょう。

今年は、某学校で建築の授業を一コマ担当することになりました。
これが意外と面白く、発見の連続であります。

2017-08-28 10.43.31.jpg
写真はイメージです。何年か前に建て替えられた私の母校の建築棟。

自分の学生時代や、長男の大学生活など、重ね合わせながら学生の様子を眺めています。

情報の入手しやすさは、格段に今の世代の方が有利ですね。 ググれば何でも出てくる。 海外とのやり取りも意思さえあれば簡単にできる。

ただ、問題なのは「意志さえあれば」というところ。世界中の有名建築だって、ストリートビューで簡単に見られますからね、ズルいなあ。

冗談はさておき、ヤル気がある学生には無限にチャンスが有るように思えます。

コロナ禍のため、ぷらっと航空券を買って、ヨーロッパで建築めぐりというのは今はちょっと難しそうですが、「どうしたら、実現できるか」「どうしたら、うまくいくか」と、頭を使うのは世界中どこでもできると思います。

この中で、誰が自発的に動いてチャンスを掴むのかなあ、と期待しながら週一コマですが授業をしています。若い世代の成長が楽しみです。

大林勇設計事務所
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:住宅

浜松市図書館の雑誌スポンサー制度 [建築]

こんにちは、大林です。

オリンピックが終わった途端、雨、雨、雨。
最近、スッキリした青空を全く見ていない気もしますが、いかがお過ごしでしょうか?

我が家の庭木には、びっしりとクマゼミが張り付いておりまして、雨が降ると鳴き声が止まるため、「おっ、降り始めたか。」と思うこともしばしば。 クマゼミの短い命ですから、心ゆくまで鳴かせてあげたいものです。

まあ、都会の方にはセミは珍しいと思いますので、晴天時にガンガンに鳴いているときに電話がかかってくると、ちょっと恥ずかしかったり(笑)。「何の音ですか?」とか、「雑音でちょっと聞き取りにくいです。」とか、言われやしないかハラハラします。

先日、お久しぶりのKさんから、「浜松市図書館の雑誌スポンサーやっているのですね、アッパレだよ(意訳)。」とのハガキが届き、嬉しいお知らせでした。 実は、雑誌スポンサーに気づいて、連絡をくださったのは初めての経験。

 数年前からやっていたのですが、図書館の蔵書バランスの都合もあり、私の生活圏とは離れた場所に置かれていました。 今年になって「うちの近所の図書館に置くことは可能ですか?」と聞いたところ、「可能ですよ。」とお返事をいただき、細江図書館と都田図書館に「チルチンびと」という雑誌を置いて頂くことになりました。

元々は、近所の造園業者の「舩越造園」さんが雑誌スポンサー制度に多数参加しているのを図書館で見かけて、「なるほど、さすが舩越さんだな!」と思い、私もエントリーしてみました。

私自身、ネットの予約制度も駆使し年間100冊以上図書館を利用させていただいていますので、微力ながら恩返しのようなものかと思っています。

「チルチンびと」という雑誌は、私が量産ハウスメーカーを退職しようかどうか悩んでいたときに、「おっ、こんな住宅設計の世界があるのか!」と気づかせてくれた神様のような存在。 当時とは、執筆陣もガラッと変わったようですが依然としてリスペクトしております。

細江、都田両図書館にお寄りの際は、ぜひ手にとって見てください。

大林勇設計事務所


チルチンびと108号 いい家の条件

チルチンびと108号 いい家の条件

  • 出版社/メーカー: 風土社
  • 発売日: 2021/06/11
  • メディア: 雑誌


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:住宅

住宅展示場の通路を散策 [建築]

こんにちは、大林です。

どういうわけか、雨雨雨の連続。
「盆休みは出歩かないように」と仕組まれているのでしょうか(笑)。

長めにジョギングしようとしていたのですが、それも叶わず気持ちは不完全燃焼です。


 さて先日、近くを通ったので住宅展示場の中をふらっと散策。

千葉支店の新人サラリーマンの時は、仕事で週に一度顔を出していたが、場所は違えど新鮮な感覚。

 通りに人通りは無いけれど、「お客さん来ないかなあ」と、ジッと事務所に待機している営業マンの姿が透視できるようですごく懐かしい。 

 御迷惑なのは分かっているので中を覗かなかったが、ここで1つ新鮮な疑問。

「一般消費者の皆さんは、すべての住宅展示場を覗いているのだろうか?」問題!

 グルっと見回すとモデルハウスはなかなかの数ですよ、皆さんどうしているのだろう。

 聞いたことのあるメーカーに行くのだろうか、やっぱり。好きな女優さんがCMしているメーカーに行く? それとも、玄関先で粗品を配っているモデルハウスに足を踏み入れるのだろうか?

 
御存知の通り、モデルハウスは大抵デカい。 延床面積60坪位はあるだろうか。 更にはオプションテンコ盛りで、見栄えのする家具もセッティングされている。

当然そのまま建てれば、一般人の建築予算以上の費用がかかる。 たくさん見て回ってもほぼそのままマイホーム候補になる家は、まず無い。 大きさも仕様も違って参考にならない。

これって車の購入行動で例えると、ト○タのディーラーに購入予定のカ○ーラを見に行ったけど、実物がないので代わりにク○ウンに試乗した、とかそんな感じか? 

そう考えると、消費者のいろいろな要望に合うように同じ会社が3棟、4棟と出店しているのにも納得がいく。 軽自動車やらワンボックス、ハイブリッド車、スポーツカーまで展示しているイメージ。 出店経費はその分掛かるのは当然ですが。

反対に、住宅展示場に注力しない会社も割とある。

最近、よく見かけるのが10棟くらいのまとまった分譲土地の1つに、先行して展示場を建て、後に売却するタイプ。 土地の規模感も分かるし、何よりも「この土地には、これくらいの大きさの家が建てられる」という目安が分かりやすい。

このタイプの方が大型住宅展示場よりも現実的なのかも。そんな気付きがありました。
ネットでアカウント登録して、玄関は電子解錠で、リモートで社員が質問に答えるとか、そんな営業スタイルも増えるかもしれませんね。

ただ、大型住宅展示場が無くなることは無いでしょう。 なぜなら、新聞社、テレビ局が大抵は大型住宅展示場の事業主ですから、広告は強いですよ。 放送の合間にマイホームセンター♪のCM目にしますよね。

大林勇設計事務所
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:住宅

新しい街で暮らすこと。 [建築]

こんにちは、大林です。

 久しぶりの投稿になります。
何だか、コロナ、五輪を取り巻くSNSの殺伐とした雰囲気に違和感を感じ、投稿に気後れしておりました。

 ワクチンも出回り始め、五輪も終わりましたし、高校野球も始まり、油断しているわけではないですが個人的には平穏な空気を感じております。

 さて、今日は何を書こうかと思ったかというと、「暮らすこと」って何歳になっても心の奥底に刻み込まれているのだなということです。

 オリンピックのマラソン競技。 市民ランナーである私は、もちろん選手の走りをTVに食い入るように眺めました。 それと同時に、私自身が暮らした、札幌市の北大周辺の風景に時空を超えて、すっかり心奪われてしまったのです。

特に、大迫選手が二人を抜き去った辺りの歩道橋。

2021-08-11 08.36.14.jpg

 お恥ずかしい話、昔も今も私が住んでいる辺りは田舎で、徒歩圏内には歩道橋がありません。 私が初めて一人暮らしした札幌のアパートは、小学校、中学校が近く、生徒の交通安全のために都会のシンボル(?)のような、歩道橋が設置されていました。

 これまた田舎者には珍しい、地下鉄駅の「北18条」からテクテクと歩き、歩道橋を越え、自分のアパートに帰る、一人暮らし初心者の18歳の4月に見た景色をもうじき49歳になる現在、テレビ画面越しに再会するとは・・・。

 あまりに懐かしく、2日間のマラソン中継でその歩道橋が映るたびに「オレの歩道橋」「そこ曲がると、オレのアパート」と、何度もつぶやき、妻にはウザがられましたが。

2017-08-28 10.37.25.jpg
(北大の長い直線コースの終わり。ここで写真右手に選手は曲がりました。)

 大盛で有名だった中華屋、自転車で通ったキャンパス、合格発表が有った教養学部の校舎、2017年に参加した北海道マラソンと重なっている部分もあり、映像を何度でも見直したいほど北大を堪能しました。
2021-08-11 08.33.32.jpg

2021-08-11 08.35.30.jpg

 実家から離れて、ひとり暮らしをし、やがて成人となる。その多感な時期を新しい街で暮らすことが一生の心の拠り所となる、そんな感覚を再確認する、五輪のマラソン中継でした。

我が家の長男次男も、それぞれ暮らす街でそんな充実した時間を過ごしてほしいものです。

大林勇設計事務所

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:住宅

京都の町家ゲストハウス錺屋さん解体ですか(泣)! [建築]

こんにちは、大林です。

東海地方も梅雨入り・・・なんか今年は早くね?の朝です。

 土曜日にTwitterかInstagramをチラチラ見ていると、私にとっては衝撃的なお知らせ。 うっすら嫌な予感はしていたけど、やはりか、というのが正直な印象。 すごくモヤモヤしていて月曜日になってしまいました。

 約8年前に家族で利用させていただいた京都の町家ゲストハウス錺屋(かざりや)の建物が解体され、コインパーキングになると言うのだ。

 町家の見学はしたことはあるが、そこに泊まるという体験が私にとっては初めてで特別で印象的な時間だった。 レンタサイクルを借りて鴨川沿いを走り回ったなあ。

IMG_9587.jpg

 錺屋さんについては、HPより引用
>>
ゲストハウス錺屋(かざりや)は2009年春、京都五条烏丸にOPEN致しました、
レトロな町家ゲストハウスです。
五条通りに面し、地下鉄五条駅より徒歩2分、JR京都駅より徒歩12分、
京阪清水五条駅より徒歩10分、
また京都の中心地、四条河原町へも徒歩圏内です。

錺屋の建物は、大正時代に建築された、モダンな町家です。
この場所で江戸時代より続く薬屋さんであったため、
正面の壁には薬の名である「六神丸」そして「亀田利三郎薬舗」という屋号の入った、
古い一枚板の看板が飾られています。
木と白壁の洋室やタイル貼りのキッチンなど、生活の中で手入れされ続けてきた屋内は、
長い時間とその空気をそのまま残し、
縁側からゆったりとした中庭の木や草花を眺めるひと時は京都らしくもあり、
時には、街中であることを忘れさせてくれます。
また、内装は京町家の伝統と文化を大事にしつつも、
どこか西洋の香りも漂う、和洋折衷な、ロマンティックな空間で、
他の宿とはひと味違う、ここにしかない特別な時間が流れています。
>>引用終わり


_MG_8456.jpg
泊まった部屋から坪庭を見下ろして思い出の一枚。

 建物の賃貸契約の更新を受けられず、確か年末辺りで営業を終えられた模様。賃貸契約の更新をしてしまうと、契約が終わるまで自由にホイホイと売るわけにも行かなくなるので、売却に向けてカウントダウンに入っていたのだろう。

 こうしてまた京都の街から魅力ある建物が姿を消してしまうことに虚しさを覚えるのは当然なのだけど、そういえば仕事目線で京都の都市計画マップを眺めることは今まで無かったな、と京都市の都市計画情報検索システムを検索。

map.jpg

「商業地域 建ぺい率80% 容積率700%」の国道1号線沿いの整形の角地。縛りのキツそうな京都特有の地区計画エリアからも外れている。

これはダメだ。不動産物件としてはあまりにも条件が良すぎる。

 そしてゲストハウス経営者さんが購入するには間違いなく高すぎる価格になるだろうと推測できる。 不動産価格高騰の折、地主さんには地主さんの事情もあるだろうし、責めるわけには行かない。 交通の便が良すぎる場所にあることが却って不運だったとしか言いようがない。

京都にしても東京にしても魅力的な古い建物の解体報告を近年よく見かける。壊すのは簡単。 重機でガサッと壊せば2週間もすれば、何事もなかったように更地になる。

しかしながら、なんだか街並みが味気ないな、どこの街も道路沿いは同じような表情でつまらないな。 元に戻せないかな、と思ったときにはもう遅すぎる。

ちっぽけな当事務所が出来ることは、微力すぎて殆ど無いけれど、せめてこうして、このゲストハウスのことを書き残しておくことにする。

そして、スクラップアンドビルドのその場しのぎの建設を減らし、街並み的にも性能的にも長生きできる建物を世の中に残すこと、これからも大切に考えていきたい。

大林勇設計事務所
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:住宅

子供の成長を感じたこのGW [家の出来事]

こんにちは、大林です。

世間では昨日でGWが終わり、本日から通常勤務のようですが、いかがお過ごしでしょうか?

 私は、30分程度の朝ランを日課としているのですが、本日早速GW明けの軽い事故現場を見てしまいました。 渋滞中のトラックに後ろから軽自動車が潜り込み気味なオカマ掘り事故。 休みボケでうっかりしていてブレーキが遅れたのかな? 安全第一で行きましょう。

 我が家のGWは5/5までで、高専寮から一時帰宅の次男もその日に浜松駅まで送り、以降平常生活に戻りました。

 でも、なにか違う。

 子供らが二人が家を出るはずの進学をしたのは去年のことなのですが、昨年のGWは、コロナ禍のリモート授業で家にいました。

今年は、家族4人揃わず、さらには次男は5/5で帰寮。

 何だか寂しいな、の一言で済む話なのですが、ワタシ的には「ドラえもんが未来に帰ってしまった次の日」的な感情でした、あくまでも想像ですがね(笑)。 ああ、ドラえもんはもういないんだ・・・のような。

 というのも、長期休暇の際の高専寮は毎回、荷物を持ち出しての完全閉寮で追い出されるため、ほぼ引っ越しを兼ねて寮まで行くのが迎えと別れのルーティーンだったのですが、今回は次男本人だけ駅前にポトッと落として、「じゃあな」だったがこの不思議な感情の理由かもしれません。

2021-05-10 08.59.44.jpg

 ともあれ、長男次男とも家を離れてなんとか生活しているようで、成長が嬉しい限り。
昔、自宅を雑誌に掲載していただいたときはこんなにかわいらしいヤツラだったのですけどね。

 体験して初めて分かることですが子供の成長は早いです。 それはそれは想像以上に早いです。 例えて言うなら、5年で別の生き物に変わる感覚でしょうか、いやホントに。  同時に、仕事上の家づくりの点では、お客さんのイエスマンに徹し子供優先にシフトしすぎると、多分失敗するだろうな、という気付きも・・・。  

 何はともあれ、コロナ禍でも我が家は家族全員健康で、学校もリモート併用でもそこそこ行けているようで感謝です。 

大林勇設計事務所
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:住宅

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。