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永遠のアイドル、フランク・ロイド・ライト [建築]
こんにちは、大林です。
お隣、愛知県の豊田市の豊田市美術館で、「フランク・ロイド・ライト世界を結ぶ建築」なんてタイトルだけで、ご飯3杯くらいイケそうな企画展があるので、わたくし実はソワソワしています。
建築家という職業を知ったのは、小学生の時に明治村で旧帝国ホテルの移築された玄関を見て、何かカッコいい建物!と感じてから。 だから、私にとってはずっと個人的にはアイドル的存在。 私がいま一級建築士として仕事をしているのも当時の憧れがずっと心のなかにあるから。

学生の頃、ニューヨーク、シカゴ、LA.、SF.、家庭教師のバイト代を注ぎ込んで追っかけファンのようにライトの建物を見て回りました。 当時、NYのタイムズスクエア近辺でゲストハウスに泊まって地下鉄で美術館を見て回っても1日5000円で過ごせた。今ではとても無理な金額。物価が止まっているのは日本だけかも。

また、豊田市美術館は、建築家谷口吉生氏による設計で、建物自体もとても上質で余計な線が少なくシンプル。 床タイルや壁タイル、ガラスなど目地がビシッと通り、精密さが感じられる緊張感のある建物です。 お出かけの際には、スカッと、ビシッと、という擬態語をぜひ思い出してください。
大林勇設計事務所
お隣、愛知県の豊田市の豊田市美術館で、「フランク・ロイド・ライト世界を結ぶ建築」なんてタイトルだけで、ご飯3杯くらいイケそうな企画展があるので、わたくし実はソワソワしています。
建築家という職業を知ったのは、小学生の時に明治村で旧帝国ホテルの移築された玄関を見て、何かカッコいい建物!と感じてから。 だから、私にとってはずっと個人的にはアイドル的存在。 私がいま一級建築士として仕事をしているのも当時の憧れがずっと心のなかにあるから。

学生の頃、ニューヨーク、シカゴ、LA.、SF.、家庭教師のバイト代を注ぎ込んで追っかけファンのようにライトの建物を見て回りました。 当時、NYのタイムズスクエア近辺でゲストハウスに泊まって地下鉄で美術館を見て回っても1日5000円で過ごせた。今ではとても無理な金額。物価が止まっているのは日本だけかも。

また、豊田市美術館は、建築家谷口吉生氏による設計で、建物自体もとても上質で余計な線が少なくシンプル。 床タイルや壁タイル、ガラスなど目地がビシッと通り、精密さが感じられる緊張感のある建物です。 お出かけの際には、スカッと、ビシッと、という擬態語をぜひ思い出してください。
大林勇設計事務所
バルコニー窓は掃き出さなくても、良いかも。 [建築]
こんにちは、大林です。
台風7号が上陸とのこと。 浜松は、雨も風も予想より穏やかですが、浴槽に水を貯める、モバイルバッテリーの充電、庭グッズの片付けなど今後も準備は怠らないようにしたいものです。
本日のお題は、頭に浮かんで忘れないうちに掃き出し窓問題を。
朝方、私の寝ている2階の和室の窓に台風の雨が吹き付ける音で目が覚めました。設計した当時は、文字通り「掃き出す」事ができるように、と床からの高さ1.8mの引き違い窓を付けたのですが、バルコニーの防水層の規定の高さを確保しようとすると、一手間かけて外部のバルコニーの構造を下げる必要があり、手間=コストがかかります。 さらには、2階床から掃き出すという行為自体が、掃除機だったりルンバだったりで掃除する現在では非常にレアケースとなりつつあります(個人的感想)。そもそも室内用ホウキが無い家庭も多いのでは?
そのため、最近では2階床と掃き出し窓の下を平らにせずバルコニーの立ち上がりは、30センチ程度跨ぐことを前提に路線変更しました。
跨ぐことを許容するとメリットも生まれ、2階の床下地を中から外まで同じ高さで作ることができます。 床の下地が中から外まで同じ面で続くことで剛性のアップも見込めます。

2階床面より30センチ程度高くし同時に幅も広くすると、夕涼みに窓際にちょこんと座ったり、大勢の人が集まるときにはベンチ代わりになったり、新しい使い道が生まれます。
共働き家庭も多く、さらにはドラム式洗濯機で夜のうちに乾燥まで終わらせる場合は、そもそもバルコニーの存在価値が昔より薄いですよね。 バルコニー自体廃止した家庭もあります。
状況と依頼人の希望を聞きながら柔軟な設計を心がけたいと、今朝の雨音で思い出しました。
盆休み中にHPのマイナーチェンジをはかりました。よろしければどうぞ。
大林勇設計事務所
台風7号が上陸とのこと。 浜松は、雨も風も予想より穏やかですが、浴槽に水を貯める、モバイルバッテリーの充電、庭グッズの片付けなど今後も準備は怠らないようにしたいものです。
本日のお題は、頭に浮かんで忘れないうちに掃き出し窓問題を。
朝方、私の寝ている2階の和室の窓に台風の雨が吹き付ける音で目が覚めました。設計した当時は、文字通り「掃き出す」事ができるように、と床からの高さ1.8mの引き違い窓を付けたのですが、バルコニーの防水層の規定の高さを確保しようとすると、一手間かけて外部のバルコニーの構造を下げる必要があり、手間=コストがかかります。 さらには、2階床から掃き出すという行為自体が、掃除機だったりルンバだったりで掃除する現在では非常にレアケースとなりつつあります(個人的感想)。そもそも室内用ホウキが無い家庭も多いのでは?
そのため、最近では2階床と掃き出し窓の下を平らにせずバルコニーの立ち上がりは、30センチ程度跨ぐことを前提に路線変更しました。
跨ぐことを許容するとメリットも生まれ、2階の床下地を中から外まで同じ高さで作ることができます。 床の下地が中から外まで同じ面で続くことで剛性のアップも見込めます。

2階床面より30センチ程度高くし同時に幅も広くすると、夕涼みに窓際にちょこんと座ったり、大勢の人が集まるときにはベンチ代わりになったり、新しい使い道が生まれます。
共働き家庭も多く、さらにはドラム式洗濯機で夜のうちに乾燥まで終わらせる場合は、そもそもバルコニーの存在価値が昔より薄いですよね。 バルコニー自体廃止した家庭もあります。
状況と依頼人の希望を聞きながら柔軟な設計を心がけたいと、今朝の雨音で思い出しました。
盆休み中にHPのマイナーチェンジをはかりました。よろしければどうぞ。
大林勇設計事務所
太陽とケンカしない、家づくり [建築]
こんにちは、大林です。
命の危険すら感じさせる7月の暑さでしたが、8月に入ってからここ一週間くらい、ゲリラ豪雨が多く、昔とは気象が変わってきていることを実感します。
今日は、太陽の話を。
朝、ジョギングに出かけるのですが、信号待ちのときには電柱一本の幅でも影を見つけてお世話になっています。やはり影は偉大です、と同時に太陽のエネルギーってとてつもなくスゴいことを実感します。
専門学校の非常勤講師として「建築環境」を担当していますので、以下は黒板をバンバンと叩きながら「ここ、テストに出すよ」と、強調したいところです(笑)。

北緯35°の場合、夏至の日の南中高度は約78°、冬至の日は約32°、春分秋分の日は約55°。季節に応じて太陽光を取り入れたり遮ったりしながら太陽と仲良く付き合える建物を設計したいと思います。

屋根の軒の出ゼロは、工事コストが浮くので採用する会社もありあちこちで見かけますが、直射をモロに喰らう&突然の雨に洗濯物がノーガードのため、個人的にはオススメしません。 西日対策として西側の窓減らしは、心がけています。
ホント、太陽とケンカしてはダメですよ。
大林勇設計事務所
命の危険すら感じさせる7月の暑さでしたが、8月に入ってからここ一週間くらい、ゲリラ豪雨が多く、昔とは気象が変わってきていることを実感します。
今日は、太陽の話を。
朝、ジョギングに出かけるのですが、信号待ちのときには電柱一本の幅でも影を見つけてお世話になっています。やはり影は偉大です、と同時に太陽のエネルギーってとてつもなくスゴいことを実感します。
専門学校の非常勤講師として「建築環境」を担当していますので、以下は黒板をバンバンと叩きながら「ここ、テストに出すよ」と、強調したいところです(笑)。

北緯35°の場合、夏至の日の南中高度は約78°、冬至の日は約32°、春分秋分の日は約55°。季節に応じて太陽光を取り入れたり遮ったりしながら太陽と仲良く付き合える建物を設計したいと思います。

屋根の軒の出ゼロは、工事コストが浮くので採用する会社もありあちこちで見かけますが、直射をモロに喰らう&突然の雨に洗濯物がノーガードのため、個人的にはオススメしません。 西日対策として西側の窓減らしは、心がけています。
ホント、太陽とケンカしてはダメですよ。
大林勇設計事務所
通風に頼りすぎずに、少しは期待する。 [建築]
こんにちは、大林です。
夏らしい日が到来! 雨でジメジメよりは暑くてもスカッと晴れている方が個人的には好きです。
遠出する用事が続きましたが、往復1000キロの新潟の旅は2日とも晴天に恵まれ、助かりました。
山越えで長野県の飯田市から中央道に乗りましたので、あの山道で豪雨に襲われたら・・・今、呑気にブログは書いていないかもしれませんね。
暑くなると、家の風通しの話をふと書きたくなりました。
南側に大きな窓があれば、涼しくなるのだろうか・・・?
答えは、ブー!不正解です。 いろいろな誤った認識を正すことが必要です。
①通常の住宅地では基本的に気温以下の空気は入ってきません。特にアスファルトで熱せられた空気が入ってくるような環境では、通風に涼を求めることはできません。 常に扇風機の「強」くらいの風速でしたら、涼を感じるのかもしれませんが、紙は舞い、物は倒れ、現実的ではありませんよね。
②大きな窓から風を入れようと思っても出口がなければ、入らない。ところてんを作ろうと寒天を押し込んでも出てきませんよね。

南西の方向に高温化しないような緑がある環境だと、夏場の涼風も期待できるかもしれません。
私が子供の頃よりも確実に夏は灼熱化しています。 電気代の話は脇に置くとして、体調を崩しては元も子もないのでエアコンも適宜使用することも大切です。 健康第一ですぞ。
大林勇設計事務所
夏らしい日が到来! 雨でジメジメよりは暑くてもスカッと晴れている方が個人的には好きです。
遠出する用事が続きましたが、往復1000キロの新潟の旅は2日とも晴天に恵まれ、助かりました。
山越えで長野県の飯田市から中央道に乗りましたので、あの山道で豪雨に襲われたら・・・今、呑気にブログは書いていないかもしれませんね。
暑くなると、家の風通しの話をふと書きたくなりました。
南側に大きな窓があれば、涼しくなるのだろうか・・・?
答えは、ブー!不正解です。 いろいろな誤った認識を正すことが必要です。
①通常の住宅地では基本的に気温以下の空気は入ってきません。特にアスファルトで熱せられた空気が入ってくるような環境では、通風に涼を求めることはできません。 常に扇風機の「強」くらいの風速でしたら、涼を感じるのかもしれませんが、紙は舞い、物は倒れ、現実的ではありませんよね。
②大きな窓から風を入れようと思っても出口がなければ、入らない。ところてんを作ろうと寒天を押し込んでも出てきませんよね。

南西の方向に高温化しないような緑がある環境だと、夏場の涼風も期待できるかもしれません。
私が子供の頃よりも確実に夏は灼熱化しています。 電気代の話は脇に置くとして、体調を崩しては元も子もないのでエアコンも適宜使用することも大切です。 健康第一ですぞ。
大林勇設計事務所
まずは、希望を言葉で書き出してみること [建築]
こんにちは、大林です。
4月最終日は、割としっかり雨が降りましたね。
えっ?今年の1/3が終わったって?聞かなかったことにしておきましょう(笑)。
設計事務所のHPのメンテナンスをしながら、一般の方は家を建てるにあたってまずは何をすれば良いのか?という初歩的なことを私自身も整理できていなかったのでは?とフッと脳裏に浮かんできました。

①まずは、どこに建てるのか? 土地から購入ならばどこに住みたいのか?
これが最初ですかね? 現在のアパートの位置、学区の都合や通勤の都合、実家への距離など、まずはエリアを絞りたいところ。
②次は、いくらまで費用を掛けられるのか? お金の話はどうしても避けられません。
これは①の話とも密接に絡んでいて、代々所有の土地を貰えるのか?、贈与を期待できるのか?、建物にいくら位掛けられるのか?月々の返済を考えるといくら位までの総額を考えればよいのか。
設計の立場としても、ここが見えないと提案の内容がまるで変わります。このご時世、補助金をうまく活用できるか否かも、知識と経験と情報収集力が必要です。
大きすぎるものを提案しても、小さすぎるものを提案してもうまくいきません。 ボタンの掛け違いが起きないように一番私が気を遣うところです。
カッコつけても仕方ありません。ここはお互い正直な方が、後々うまくいく傾向にあります。
③ここまで来て、やっと希望を箇条書きで言葉で書き出してみる段階です。
方眼紙を用意した方は、ストップ、ストップ。ちょっと待ってくださいね。 まずは、言葉です。方眼紙は一旦しまってください。
ここで、方眼紙に具体的に書いてしまうと、設計側は無視するわけにも行かず、顔色を見て恐る恐る中途半端に取り入れた結果、アンバランスになったり、構造が大げさになり費用がかさんだり、無駄な廊下が増えたり、過去の経験上良いことはありません。
イエスマンに徹して、仕事を頂く方法もあるとは思いますが、声をかけていただいた以上、少しでもお役に立ちたい、知恵をひねり出したいと思うのが私の性格です。
なお、何気なく書きがちな廊下ですが、実は91センチ四方の1マスで20~25万円ですよ、4マスで100万円ですね、とアドバイスすると皆様割と事の重大さを理解してくれます。
希望を言葉で頂いたほうが、料理に例えれば調理の工夫のやりがいがあります。 例えるなら肉の種類は指定してくださるとしても、焼くのか蒸すのか揚げるのか提案をさせてください、当方が考えるベストにまずは耳を傾けてみては。
もちろん、勝手に設計や工事は進めません。着手前に承認を得たうえで進めます。 その上でまた意見交換すれば良いのです。 大切なのはイエスかノーかの意思表示です。
楽しいから難しい、難しいから楽しい。家づくりの奥深さが見えてきましたか(笑)?
大林勇設計事務所
4月最終日は、割としっかり雨が降りましたね。
えっ?今年の1/3が終わったって?聞かなかったことにしておきましょう(笑)。
設計事務所のHPのメンテナンスをしながら、一般の方は家を建てるにあたってまずは何をすれば良いのか?という初歩的なことを私自身も整理できていなかったのでは?とフッと脳裏に浮かんできました。

①まずは、どこに建てるのか? 土地から購入ならばどこに住みたいのか?
これが最初ですかね? 現在のアパートの位置、学区の都合や通勤の都合、実家への距離など、まずはエリアを絞りたいところ。
②次は、いくらまで費用を掛けられるのか? お金の話はどうしても避けられません。
これは①の話とも密接に絡んでいて、代々所有の土地を貰えるのか?、贈与を期待できるのか?、建物にいくら位掛けられるのか?月々の返済を考えるといくら位までの総額を考えればよいのか。
設計の立場としても、ここが見えないと提案の内容がまるで変わります。このご時世、補助金をうまく活用できるか否かも、知識と経験と情報収集力が必要です。
大きすぎるものを提案しても、小さすぎるものを提案してもうまくいきません。 ボタンの掛け違いが起きないように一番私が気を遣うところです。
カッコつけても仕方ありません。ここはお互い正直な方が、後々うまくいく傾向にあります。
③ここまで来て、やっと希望を箇条書きで言葉で書き出してみる段階です。
方眼紙を用意した方は、ストップ、ストップ。ちょっと待ってくださいね。 まずは、言葉です。方眼紙は一旦しまってください。
ここで、方眼紙に具体的に書いてしまうと、設計側は無視するわけにも行かず、顔色を見て恐る恐る中途半端に取り入れた結果、アンバランスになったり、構造が大げさになり費用がかさんだり、無駄な廊下が増えたり、過去の経験上良いことはありません。
イエスマンに徹して、仕事を頂く方法もあるとは思いますが、声をかけていただいた以上、少しでもお役に立ちたい、知恵をひねり出したいと思うのが私の性格です。
なお、何気なく書きがちな廊下ですが、実は91センチ四方の1マスで20~25万円ですよ、4マスで100万円ですね、とアドバイスすると皆様割と事の重大さを理解してくれます。
希望を言葉で頂いたほうが、料理に例えれば調理の工夫のやりがいがあります。 例えるなら肉の種類は指定してくださるとしても、焼くのか蒸すのか揚げるのか提案をさせてください、当方が考えるベストにまずは耳を傾けてみては。
もちろん、勝手に設計や工事は進めません。着手前に承認を得たうえで進めます。 その上でまた意見交換すれば良いのです。 大切なのはイエスかノーかの意思表示です。
楽しいから難しい、難しいから楽しい。家づくりの奥深さが見えてきましたか(笑)?
大林勇設計事務所
元気な街は、街歩きが楽しい(静岡市人宿地区) [建築]
こんにちは、大林です。
すっかり春が到来し、季節外れの寒さが戻ってくることもなさそうで安心して庭いじりという名の草むしりができそうです。
さて、今日は先週、静岡県建築士会の用事で静岡で街歩きをしたことを書こうかと思います。
そういえば、静岡の街って今まであまり歩いたことはなかったのです。静岡マラソンで静岡には何度も行きましたが、8時20分スタートでしたからもちろんお店も開いていませんし。

そんな訳で大学の教授の解説を受けながら静岡市役所本館をはじめに贅沢な街歩きをしてきました。

旧東海道を自分の足で走るひとり企画を今まで2回行い、次回静岡を通過する予定だったので、個人的には非常にタイミングの良い企画でした。歩道にはこんな案内も。

最近テレビで見た、人宿(ひとやど)地区の賑わいには驚きました。土曜日とは言え、こんなワクワクする場所は浜松の街中には見当たりません。

泊まれる喫茶店「ヒトヤ堂」
このエリアの開発には、設計事務所の創造舎さんが関わっている模様。とても魅力的な建物づくり&街づくりです。

ここだけ時間が止まったような乳母車店も実にキュート。

静岡大火や戦災を乗り越えて今も生き続ける「矢澤煉瓦蔵」が現在も洋服店として現役というのは、非常にレアケースというか、所有者の理解の賜物であることは容易に想像できます。
歩行者天国も開催されており、どこからこんなに人が出てきた?と思うような賑わいぶり。県庁所在地ゆえなのか否か、浜松と何が違うのだろう、考えさせられる街歩きでした。
話は変わりますが、午後イチの集合時間の前に、かねてから興味を持ったまますでに10年以上の時間が経ってしまった、「日本基督教団 駿府教会」も訪問してきました。

教団関係者でもないのでズカズカと入っていくのはマナー違反なので、外観だけでも見たいなと思っていたのですが、開放中とのことで快く中に入れていただきました。

思わず、「ハッ」と言葉を失いました。 光がなんて美しいのだと。
天井から落ちてくる光が荒々しい板の壁に反射する様子は見飽きることがなく、時間を忘れて集合時間に遅刻しそうでした。 機会があれば是非。
大林勇設計事務所
すっかり春が到来し、季節外れの寒さが戻ってくることもなさそうで安心して庭いじりという名の草むしりができそうです。
さて、今日は先週、静岡県建築士会の用事で静岡で街歩きをしたことを書こうかと思います。
そういえば、静岡の街って今まであまり歩いたことはなかったのです。静岡マラソンで静岡には何度も行きましたが、8時20分スタートでしたからもちろんお店も開いていませんし。

そんな訳で大学の教授の解説を受けながら静岡市役所本館をはじめに贅沢な街歩きをしてきました。

旧東海道を自分の足で走るひとり企画を今まで2回行い、次回静岡を通過する予定だったので、個人的には非常にタイミングの良い企画でした。歩道にはこんな案内も。

最近テレビで見た、人宿(ひとやど)地区の賑わいには驚きました。土曜日とは言え、こんなワクワクする場所は浜松の街中には見当たりません。

泊まれる喫茶店「ヒトヤ堂」
このエリアの開発には、設計事務所の創造舎さんが関わっている模様。とても魅力的な建物づくり&街づくりです。

ここだけ時間が止まったような乳母車店も実にキュート。

静岡大火や戦災を乗り越えて今も生き続ける「矢澤煉瓦蔵」が現在も洋服店として現役というのは、非常にレアケースというか、所有者の理解の賜物であることは容易に想像できます。
歩行者天国も開催されており、どこからこんなに人が出てきた?と思うような賑わいぶり。県庁所在地ゆえなのか否か、浜松と何が違うのだろう、考えさせられる街歩きでした。
話は変わりますが、午後イチの集合時間の前に、かねてから興味を持ったまますでに10年以上の時間が経ってしまった、「日本基督教団 駿府教会」も訪問してきました。

教団関係者でもないのでズカズカと入っていくのはマナー違反なので、外観だけでも見たいなと思っていたのですが、開放中とのことで快く中に入れていただきました。

思わず、「ハッ」と言葉を失いました。 光がなんて美しいのだと。
天井から落ちてくる光が荒々しい板の壁に反射する様子は見飽きることがなく、時間を忘れて集合時間に遅刻しそうでした。 機会があれば是非。
大林勇設計事務所
簡単なようで奥深いのが屋根の世界 [建築]
こんにちは、大林です。
久しぶりの雨ですかね。 趣味のマラソン大会や何かイベントがあると割と天気予報は気にしていますが、通常モードの場合は成り行き任せです。 まあ、天気はコントロールできませんからね。
北海道にある父の実家から秋に届いたジャガイモのうち、芽が出た部分は庭の小さな畑に植えたり、大根の種を蒔いたりして発芽を楽しみにしている私にとっては恵みの雨でしょうか。
さて、先日専門学校で学生の住宅の設計を見ながら、屋根のことを色々考えました。
・軒を出す?出さない?
・材質は瓦?それもイブシ瓦?陶器瓦? あるいはガルバリム鋼板?
・勾配はどうする? 勾配があまり緩いと台風の時に雨が入るぞ。
・切妻なの?寄棟なの?棟は東西方向?南北方向?
・最初は、フラットルーフにしがちだよね、ウンウン分かる。
とか、初心に帰って意識することがあり、私にとっても良い経験でした。
個人的に、費用を考えずに総合的に考えてどれが好き?と聞かれたら、「イブシ瓦」ですかね、と多分答えます。

イブシ瓦とは・・・引用>>「いぶし瓦は釉薬を使わず、焼成したあとに空気を完全に遮断、「むし焼き」にする燻化工程が特徴です。このときLPGなどで素地表面に銀色の炭素膜を形成させます。
釉薬を用いず、素焼きにしたり、金属酸化物を原料に練り込んだり、窯内の雰囲気を酸化、還元などコントロールすることで独特の窯変色を出す瓦は、いぶし瓦と同じ無釉系でも燻化工程がなく、無釉瓦として区別します。」<<引用終わり
(出典 愛知県陶器瓦工業組合公式サイトより)
どちらかといえば和風が好きな私には、魅力的な素材です。
実務家である私としては、新築のときだけでなく、長く住んでいただく際のメンテナンスまで考えると、ほぼメンテナンスフリーな素材である瓦という素材はオススメしたい素材です。 ただ、ガルバリウム鋼板(略称:ガルバ)とは初期費用が当然違いますので、10年後に塗り替え費がかかるとしてもガルバで初期を安く済ませるのか、あるいはその逆で高くても初期で瓦に費用をかけるのか、このあたりは建主の方の判断にもよります。
また、勾配についても好みが分かれるところです。 特に流れ方向に長い建物でズンズン登っていくと、平屋のつもりでも2階建てのように巨大化していく傾向があります。 実際に住宅地を通るとそんな家がたくさんあり、胸が締め付けられる思いです。 3から3.5寸勾配(材質により4寸)くらいが威圧感がなく、個人的には好みです。
街並みにそっと溶け込む家を設計したい私としては、「街並みに優しい」デザインという言葉をよく使います。 突っ張っている形よりもそっと寄り添う地味だけど上質な存在感を目指しています。
自分の家が、外から見て突っ張ってませんか? そんな観点で街を眺めるのも良いでしょう。
大林勇設計事務所
久しぶりの雨ですかね。 趣味のマラソン大会や何かイベントがあると割と天気予報は気にしていますが、通常モードの場合は成り行き任せです。 まあ、天気はコントロールできませんからね。
北海道にある父の実家から秋に届いたジャガイモのうち、芽が出た部分は庭の小さな畑に植えたり、大根の種を蒔いたりして発芽を楽しみにしている私にとっては恵みの雨でしょうか。
さて、先日専門学校で学生の住宅の設計を見ながら、屋根のことを色々考えました。
・軒を出す?出さない?
・材質は瓦?それもイブシ瓦?陶器瓦? あるいはガルバリム鋼板?
・勾配はどうする? 勾配があまり緩いと台風の時に雨が入るぞ。
・切妻なの?寄棟なの?棟は東西方向?南北方向?
・最初は、フラットルーフにしがちだよね、ウンウン分かる。
とか、初心に帰って意識することがあり、私にとっても良い経験でした。
個人的に、費用を考えずに総合的に考えてどれが好き?と聞かれたら、「イブシ瓦」ですかね、と多分答えます。

イブシ瓦とは・・・引用>>「いぶし瓦は釉薬を使わず、焼成したあとに空気を完全に遮断、「むし焼き」にする燻化工程が特徴です。このときLPGなどで素地表面に銀色の炭素膜を形成させます。
釉薬を用いず、素焼きにしたり、金属酸化物を原料に練り込んだり、窯内の雰囲気を酸化、還元などコントロールすることで独特の窯変色を出す瓦は、いぶし瓦と同じ無釉系でも燻化工程がなく、無釉瓦として区別します。」<<引用終わり
(出典 愛知県陶器瓦工業組合公式サイトより)
どちらかといえば和風が好きな私には、魅力的な素材です。
実務家である私としては、新築のときだけでなく、長く住んでいただく際のメンテナンスまで考えると、ほぼメンテナンスフリーな素材である瓦という素材はオススメしたい素材です。 ただ、ガルバリウム鋼板(略称:ガルバ)とは初期費用が当然違いますので、10年後に塗り替え費がかかるとしてもガルバで初期を安く済ませるのか、あるいはその逆で高くても初期で瓦に費用をかけるのか、このあたりは建主の方の判断にもよります。
また、勾配についても好みが分かれるところです。 特に流れ方向に長い建物でズンズン登っていくと、平屋のつもりでも2階建てのように巨大化していく傾向があります。 実際に住宅地を通るとそんな家がたくさんあり、胸が締め付けられる思いです。 3から3.5寸勾配(材質により4寸)くらいが威圧感がなく、個人的には好みです。
街並みにそっと溶け込む家を設計したい私としては、「街並みに優しい」デザインという言葉をよく使います。 突っ張っている形よりもそっと寄り添う地味だけど上質な存在感を目指しています。
自分の家が、外から見て突っ張ってませんか? そんな観点で街を眺めるのも良いでしょう。
大林勇設計事務所
4号特例の廃止って何ですか? [建築]
こんにちは、大林です。
先日、民間審査機関に行ったときに広報誌の棚を眺めていると、ふと目に留まるチラシがありました。

「2025年4月(予定)から4号特例が変わります。」との内容でした。
このいわゆる4号特例により、一般的な住宅では確認申請時に構造関連図書の審査が省略されています。 審査が省略されているからと言って、構造の検討自体をやらなくていいわけではありません。
しかしながら、圧倒的に少ないとは思いますが構造の検討自体を行わない建築士や事業者がいることも事実です。
当事務所では長期優良住宅や性能評価にも取り組んでいますし、私自身が大学院でも建築を学び、建築業界の技術進歩には大変興味があり、今でも継続して勉強していますので、その点は全く不安は感じておりません。 むしろ、消費者保護の観点からも大歓迎だと感じています。
今後の住宅市場の着工数の減少を考えると、構造性能の明確化、エネルギー消費の効率化をし、ちゃんとしたものをちゃんと建て、長く使うという視点を改めて持つ必要があると考えています。 もう、日本中がスクラップ・アンド・ビルド思考から卒業しなくてはいけません。
世の中では、1/100の間取り図がプレカット工場にぴょんとメールで送られてきて、「構造の組み方と材寸を考えて材木代がいくらになるか教えて!」のような人任せな見積依頼が普通に飛び交っているというグチも関係者から聞いたことはあります。
以前から、特例廃止の話題は何度も出ていましたが、特例を廃止して要求レベルを上げると対応できない施工者がいるから廃止はしない、との大人の事情で消滅していたようです。
2025年4月から、正しい手続きに戻ることは建築業界、特に木造住宅にとっては大きな出来事と言えそうです。
大林勇設計事務所
先日、民間審査機関に行ったときに広報誌の棚を眺めていると、ふと目に留まるチラシがありました。

「2025年4月(予定)から4号特例が変わります。」との内容でした。
このいわゆる4号特例により、一般的な住宅では確認申請時に構造関連図書の審査が省略されています。 審査が省略されているからと言って、構造の検討自体をやらなくていいわけではありません。
しかしながら、圧倒的に少ないとは思いますが構造の検討自体を行わない建築士や事業者がいることも事実です。
当事務所では長期優良住宅や性能評価にも取り組んでいますし、私自身が大学院でも建築を学び、建築業界の技術進歩には大変興味があり、今でも継続して勉強していますので、その点は全く不安は感じておりません。 むしろ、消費者保護の観点からも大歓迎だと感じています。
今後の住宅市場の着工数の減少を考えると、構造性能の明確化、エネルギー消費の効率化をし、ちゃんとしたものをちゃんと建て、長く使うという視点を改めて持つ必要があると考えています。 もう、日本中がスクラップ・アンド・ビルド思考から卒業しなくてはいけません。
世の中では、1/100の間取り図がプレカット工場にぴょんとメールで送られてきて、「構造の組み方と材寸を考えて材木代がいくらになるか教えて!」のような人任せな見積依頼が普通に飛び交っているというグチも関係者から聞いたことはあります。
以前から、特例廃止の話題は何度も出ていましたが、特例を廃止して要求レベルを上げると対応できない施工者がいるから廃止はしない、との大人の事情で消滅していたようです。
2025年4月から、正しい手続きに戻ることは建築業界、特に木造住宅にとっては大きな出来事と言えそうです。
大林勇設計事務所
いまさら「冷静と情熱のあいだ」にハマる [建築]
こんにちは、大林です。
ある夜、リビングでテレビをいじりながらプライムビデオで何か見ようかなと探していると・・・ふと、目に飛び込んで来たのが、タイトルの「冷静と情熱のあいだ」。


竹野内豊とケリー・チャンの美男美女による、恋愛映画。
オジサンが何を今さら、という気もしましたが、大昔に映画を見た記憶も懐かしく、建築史の授業で必ず出てくるフィレンツェの街並を見始めたら止まらなくなり、ついつい最後まで見てしまいました。
2000年の春だったかな、新卒で就職したある住宅メーカーを退職し、設計事務所で修行するまでの1ヶ月の間にヨーロッパ建築巡りの際に、ローマから特急に乗りこの街へ。 もともと乗り放題券でヨーロッパを回るほど電車旅は好きだったので、駅の空気感など映画のシーンは、イメージできます。
例えば京都のように旧家を維持できずに売却され、マンションがボコンと出現するわけでもなく、時間が止まっているような街並みに、重厚でハリボテとは一線を画す、えも言われぬ深みがあります。
ブルネルレスキにミケランジェロ・・・歴史上の建築家の作品がアチラコチラに。また訪問したい街でした。

そんなことを思いながら映画の講評をググると・・・、「原作のほうがもっといい」なんて声もあり、図書館で予約し、これまたついつい原作まで一気読み。 一世を風靡するほどの話題作でしたが流石に出版から20年経っているので、待ち人ゼロで借りることができました。
映画の映像、自分が訪問したときの脳内映像が入り交じり、脳内ではENYAが再生され、気分だけは竹野内豊!(それは無理だろ)
たまにはデジタルデトックスで、焼酎でもちびりちびりやりながらじっくり読書もいいものですよ。
あなたの好きな街はどこですか?
大林勇設計事務所
ある夜、リビングでテレビをいじりながらプライムビデオで何か見ようかなと探していると・・・ふと、目に飛び込んで来たのが、タイトルの「冷静と情熱のあいだ」。
竹野内豊とケリー・チャンの美男美女による、恋愛映画。
オジサンが何を今さら、という気もしましたが、大昔に映画を見た記憶も懐かしく、建築史の授業で必ず出てくるフィレンツェの街並を見始めたら止まらなくなり、ついつい最後まで見てしまいました。
2000年の春だったかな、新卒で就職したある住宅メーカーを退職し、設計事務所で修行するまでの1ヶ月の間にヨーロッパ建築巡りの際に、ローマから特急に乗りこの街へ。 もともと乗り放題券でヨーロッパを回るほど電車旅は好きだったので、駅の空気感など映画のシーンは、イメージできます。
例えば京都のように旧家を維持できずに売却され、マンションがボコンと出現するわけでもなく、時間が止まっているような街並みに、重厚でハリボテとは一線を画す、えも言われぬ深みがあります。
ブルネルレスキにミケランジェロ・・・歴史上の建築家の作品がアチラコチラに。また訪問したい街でした。

そんなことを思いながら映画の講評をググると・・・、「原作のほうがもっといい」なんて声もあり、図書館で予約し、これまたついつい原作まで一気読み。 一世を風靡するほどの話題作でしたが流石に出版から20年経っているので、待ち人ゼロで借りることができました。
映画の映像、自分が訪問したときの脳内映像が入り交じり、脳内ではENYAが再生され、気分だけは竹野内豊!(それは無理だろ)
たまにはデジタルデトックスで、焼酎でもちびりちびりやりながらじっくり読書もいいものですよ。
あなたの好きな街はどこですか?
大林勇設計事務所
阪神大震災より今日で28年、やっぱり家は安全でなくてはいけない。 [建築]
こんにちは、大林です。
1/17です。
今年もまたこの日が来ました。今年で28年とのこと。
当時、神戸大の工学部で建築を学んでいた高校時代の友達が犠牲になりました。
我が家の長男次男もすっかり当時の彼くらいの年代となり、私も本人よりも親の立場としてここ数年はこの悲劇を再認識するようになり、ご両親の気持ちを思うと気の毒と同時に恐ろしくなります。
私は遠く札幌の地で建築を学び、卒業制作で夜中に帰宅してニュースも知らずに寝ていました。
朝起きてテレビを付けると阪神高速の橋脚は折れ、バスが落ちそうな映像が目に飛び込んできました。 現実とは思えない映像に「嘘だろ?」と何度も声が出ました。
彼も建築分野で私と同じ道に進んでいたならば、「最近、木材や合板高くて驚くよね。」そんな業界の世間話でもしていたかもしれません。
毎年この時期に思うこと、やはり家は家族の生活を守る安全な器でなくてはいけません。
毎年1/17はそんな気持ちを新たにする日。
これまでもこれからも大事なことを疎かにせず、設計に取り組んでいきます。
大林勇設計事務所
1/17です。
今年もまたこの日が来ました。今年で28年とのこと。
当時、神戸大の工学部で建築を学んでいた高校時代の友達が犠牲になりました。
我が家の長男次男もすっかり当時の彼くらいの年代となり、私も本人よりも親の立場としてここ数年はこの悲劇を再認識するようになり、ご両親の気持ちを思うと気の毒と同時に恐ろしくなります。
私は遠く札幌の地で建築を学び、卒業制作で夜中に帰宅してニュースも知らずに寝ていました。
朝起きてテレビを付けると阪神高速の橋脚は折れ、バスが落ちそうな映像が目に飛び込んできました。 現実とは思えない映像に「嘘だろ?」と何度も声が出ました。
彼も建築分野で私と同じ道に進んでいたならば、「最近、木材や合板高くて驚くよね。」そんな業界の世間話でもしていたかもしれません。
毎年この時期に思うこと、やはり家は家族の生活を守る安全な器でなくてはいけません。
毎年1/17はそんな気持ちを新たにする日。
これまでもこれからも大事なことを疎かにせず、設計に取り組んでいきます。
大林勇設計事務所
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