知覧特別攻撃隊・知覧特攻平和会館 [建築]
お客さんから、「知覧は、どうなりました?」と中々痛いところをつかれて、思い出したように書き始める大林です(笑)。
さて私が訪問した知覧特攻平和会館について少々。
ここでは特攻により若い命を失わざるを得なかった若者達の貴重な遺書・遺品・遺影が多数展示されている施設です。
地名と出来事を漠然としか知らなかった私をここに導いてくれたのは、栃木県のある工務店の社長でした。
社長曰く、「俺、毎年鹿児島に来るときに知覧に出向いて、全部の遺書を肉眼で読もうと思うんだ。」とのこと。訪問していただければ分かりますが、展示数があまりに多く、すべてを一日で読みきるのは不可能と言うほどの展示数。レンタルのICプレーヤーの解説を聞きながら、いくつか読むのが精一杯なのです。ですから私は、売店で遺書を綴った本を見つけて購入しじっくり読んでみた訳です。これを読みながら鹿児島空港を離陸すると、かなり悲しい気持ちになりますので、あまりお勧めしません。
その中で私が最も印象に残った27歳の方の遺書を紹介させていただきます。
小さなお子様がいらっしゃる方なら胸の張り裂ける気持ち分かっていただけると思います。5歳と3歳の子供がいつか読めるように、カタカナで記載してあります。原文のカタカナをひらがなにして転載します。
「父はすがたこそみえざるもいつでもおまえたちを見ている。よくおかあさんのいいつけをまもって、おかあさんにしんぱいをかけないようにしなさい。そしておおきくなったなれば、ぢぶんのすきなみちにすすみ、りっぱなにっぽんじんになることです。ひとのおとうさんをうらやんではいけませんよ。「まさのり」「きよこ」のおとうさんはかみさまになって、ふたりをじっと見ています。ふたりなかよくべんきょうをして、おかあさんのしごとをてつだいなさい。おとうさんは「まさのり」「きよこ」のおうまにはなれませんけれども、ふたりなかよくしなさいよ。おとうさんは大きなじゅうばくにのって、てきをぜんぶやっつけたげんきなひとです。おとうさんにまけないひとになって、おとうさんのかたきをうってください。
父より。」
鹿児島に行かれる際はぜひ知覧に行って、このような生き方をせざるを得なかった先人の生きた証を胸に刻んでください。
大林勇設計事務所
2006-05-23 17:58
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