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合格おめでとう。

こんにちは、大林です。

仕事の話ではありません。ちょっと胸にグッとくる嬉しいことがあったので、図面をサボってブログ投稿。

さかのぼること25年ほど前の話、北海道大学の合格発表の日。

 私は、9時か10時の合格発表のとき、家にいて少しソワソワしながら、そのソワソワを紛らわすように、特に読みたくもない「じゃりんこチエ」の漫画をなぜか読んでいた。 この記憶は今でもすごくくっきりと鮮明。  そこに待っていた札幌のおばさんからの電話。 「イサムちゃーん、番号有ったよ!」 あとで聞くと、公衆電話の長い列に並んでくれたらしい。 甥っ子の私の合格をおじさんもおばさんもとても喜んでくれた。

 そう、当時はインターネットもなく、申し込みしておくと遅れて電報を送ってもらうサービスが有った気もするが、札幌のおばさんに合格発表を見てもらうという重要なミッションをお願いしていたのだ。

 模擬試験もA判定だったし、当日の手ごたえもあったし、終わったその足でイトコに飲みに連れて行ってもらった(時効)けれども、責任あるとんでもないことをよくも頼んだものだと親になった今なら思う。

 確か、試験の前々日に札幌入りしたんだよな。 確か吹雪いていて、北斗星で札幌入りするときにものすごく心細かったことを覚えている。 「俺、受験は決めたものの、こんな雪国で本当に暮らせるんだろうか。」 実はそれまで夏の北海道しか経験したことが無かったのだ。 おばさんとイトコが札幌駅まで迎えに来てくれて 、アウェイ極まりない雪国のなか平常心で試験に臨めた。 本当に心強い応援団だった。

 ここで合格していなかったら多分、大林勇設計事務所は存在していなかったかもしれない。 いや、確実に他の仕事をしていたと思う。 2校しか受けていなかったうちの記念受験のW大学も不合格だったし、北大に落ちたら行くところがなかった。 私の個人史では、「関ケ原の戦い」くらいに重要な歴史のターニングポイント。

 そして、本日正午、北大入試のあとにそのまま飲みに連れて行ってくれたイトコの長男が何と東大に現役合格したとのこと。 昔から何かの折に顔を合わせ賢い賢いとは思っていたが、ここまで賢いとは恐れ入った。 おじさんもおばさんも孫の合格をきっと喜んでいるだろう。 ただ、残念なことに二人とももうこの世にはいない。

 18歳の私に合格を知らせてくれた時の電話のあの明るい声の何倍もの声で生きていたら孫の合格を喜んだだろうに、今はその声を聞くことはできない。 「Yが4月からは東大生だってさ、さすがだね。」 空を見ながらそんなことを思った。

 驚きと嬉しさと淋しさの入りまじった複雑な3/10。 Y、本当におめでとう。 家を離れての一人暮らし、大変だと思うけれど楽しんでほしい。 将来は無限だ。 これからは世界が相手。 活躍を楽しみにしている。  GWは浜松に来いよな。 

大林勇設計事務所 
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