SSブログ

浜松サーラビルのリファイン内覧会 [建築]

本日、38歳になった大林です。浜松の建築ネタです。



 ブログを通して仲良くして頂いている札幌のmoroさんが福岡で青木茂建築工房のリファイン建築を見てきたとの記事をアップ。私の昨日の動きを見破られているような絶妙なタイミングでした。



 浜松市内でリファイン建築で有名な青木茂建築工房による浜松サーラビルのリファイン完成内覧会があり、出かけてきました。先日新幹線からも、緑の帯がかかったように見えるこの建物が見え、気になっていたところでした。





最初、青木氏、所員の方、構造の金箱氏、からのお話を聞き、2グループに分かれて所々で話を聞きながらグルッと周りました。



昔、この中にキッチンハウスのショールームが有り何度か行った事があり、おぼろげながら輪郭を記憶していたのでとても有意義な見学となりました。







通常、耐震補強というとx状に交差したブレースを多用した意匠になりがちですが、ここでは内部テナントが入居したまま工事すると言う事で外部からの耐震補強という方法を採用したようです。ただ、ぐるっと一周したこの斜めの帯(ブレースの連続体をオーナー会社のコーポレートカラーである緑のガラスでカバーしている)だけでは補強しきれないので、耐力壁の増し打ちや内部ブレースも採用していました。











外装はガルバリウム鋼板を成型したパネルを張っています。なお止水ラインはあくまでも既存の外壁ラインとの事。上部のパネルに向かうにしたがって、気泡上の○のデザインは減っているようにデザインされているとの事。

オーナー会社がガス会社ということで気体をイメージしているとの話。





内部では2階の床を丸くくりぬき、エントランスの上に吹抜ができていました。



今回、リファインについて興味深かったのは、お金を掛けるところと掛けないところの見極めの良さ。途中見学通路として指定された階段は昔のそのままでペンキすら塗り替えていませんでした。逆にテナントが入居しお客さんから見える部分は大幅にイメージを変えていました。



建てては壊しを繰り返すのではなく、必要に応じて手を加えていく、この試みはCO2削減にはかなり大きな効果をもたらすのではないかと思います。

オーナー会社の姿勢と青木茂氏の仕事に感銘を受けました。



 この実例が認知され始める事で発注者の方が、「新築ではなくてリファイン(リフォーム)で行きましょう。」ということになれば建築の永遠の課題である「ストック(既存)の有効活用」の道が開かれるように感じました。何事にも発注者の英断は必要不可欠です。



 経営的にも既存を解体してその後新築となると例えば2年間のテナントの稼ぎが全くゼロなのと、テナントをそのまま残して外部からリフォームするのではまるで収益が異なるように思います。輸送機械の某社の作業着を着た社員が数名見学していたのもそんな理由もあるのではないかと邪推。



 それにしてもリファインに定評のある青木氏の仕事を浜松で見ることができたのは大きな収穫でした。



 一般の人が訪問できる商業ビルですのでお近くの方は是非足を運んではいかがでしょうか?サッカーのジュビロショップもあるようですし・・・。



大林勇設計事務所
nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 2

moro

やはり実際に設計された方々のお話を直接聞けるのは良いですね。多くのものが伝わってきます。isamuさんの適切な文章のおかげでもありますね。リファインって良いネーミングだと思います。
by moro (2010-10-28 09:50) 

isamu

>moroさん<br />
<br />
既存建物の活用はこの先重要になっていくと思います。<br />
家作りも細かいところまで至れり尽くせりで作りすぎるのも果たして良いのか分からなくなる時があります。<br />
<br />
それを考えると昔の農家の田の字側プランのフレキシブル加減にはかないません。
by isamu (2010-10-29 16:54) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。