SSブログ

建物の長寿命化と再生 [建築]

こんにちは、大林です。

 9/20に始まったラグビーワールドカップも11/2で閉幕。
すっかり寂しくなりました。 ロスです、完全にワールドカップロス(泣)。
開幕時に比べれば44日間ですっかり寒くなってるし、寂しさ倍増。

この話を書き始めると長くなるので、また別の機会に。

 今日は、建物の寿命と再生の話でもしましょうか。
この件、最近とても気になっています。

きっかけは、3つ。

・定年を過ぎた、ある方の実家仕舞いのお手伝いをしたこと。
・定年を過ぎた、ある方のお住まいのリフォームをしたこと。
・現在、遠方に住む友達のお父さんが亡くなったこと。

 現代の暮らし方、家族の在り方では、私にとっても非常に身近な話題で、どちらも我々世代にとっては考えなくてはならないことだな、と感慨深く心の中でふわふわ、同時にモヤモヤと漂っておりました。  相続にも関係してきますので、お子さん世代との対話も必要。

 立地によっては相続の際に、「住めもしない遠くの家を相続しても却って困る」というケースもあり、金額的に折り合いが付くのであれば処分して流動性の高いマンションにする方法も相続の解決策の一つでしょう。

 ただ、都内と違って郊外ではまだまだ、地面に着いた生活が好まれるのも現実。地に着いた建物を長く使うことを考えてみましょう。

 当事務所の考えとしては、現在建っている家も、これから作る家も、「基本性能の充実」と言うのがスローガン。 少なくとも、ここさえ充実していれば、リフォームや再利用の可能性が開ける。

 仕事で相談を受ける際でも、中途半端な建物のリフォームが一番厄介。 依頼主が投資する金額に対しての満足感が得られにくいケース。 依頼主の立場からすれば「コスパが悪い。」ということです。 

 建物に価値が認められれば、壊さなくても需要が発生し、空き家問題の解決への道の一つになるのでは。 借家としてももちろんのこと、カフェ店舗やレンタルスペースとしても建物の第二の人生(建物も人生っていうのか?)がスタートします。

大事なのはまずは、骨組み。

骨組みさえしっかりしていれば、将来的な建物の長期利用も可能となる。 逆にここがしっかりしていないと安全が担保できない。

IMG_5283a.jpg

築150年以上の古民家もこのように新たな命を宿し、愛される。

 第一、家電や設備が充実していても、建物が倒壊しては、一番大切な居住者の生命が脅かされる。

 世の中の9割以上の家では、天井が張られ隠れてしまうために、作り手にも購入者にも骨組みに対する意識が非常に薄いのが実情。 上棟風景を見ても、「ギリギリの構造だな」「細いな」と思うことはしばしばあります。  設計者の立場の人が、木組みに関わっていないケースもあると小耳にはさみ、非常に驚くことが良くあります。 

 次に大切なのは、屋根材でしょうか。

 趣味のジョギングに出かける際には、仕事柄、劣化した屋根が目に入ると非常に気になります。
コロニアル、カラーベストと呼ばれるスレート屋根が色あせしてコケが生え始めると危険なサイン。

 何が危険かと言うと、塗膜が劣化して水を吸い始める→屋根を構成する木材が痛む&雨漏り→家全体が痛む、という流れになります。

 劣化に強い材料としては、瓦屋根、色あせの塗替えの必要はありますが金属屋根をお勧めしたいと思います。


 建物を長く活用するためには、骨組と屋根をケチらない。 

これはたとえ、

・トイレの便座を普通便座に格下げしても、
・テレビを60インチから40インチにスケールダウンしても、
・キッチンの天板を人工大理石にランクダウンしても、

大切なことです、お忘れなきように。

美しく健やかに歳を経ること。 人間も建物もそうありたい。

大林勇設計事務所

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:住宅

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。