「家づくり再入門」編⑪ 屋根の材料は何にしようか? [家づくり再入門]
こんにちは、大林です。
猛暑が終盤に近づいたかと思うと、雨やら雷やら・・・。 ここは、シンガポールかってほどの突然の雨。 まるで熱帯のようですね。
あまり激しい雨の日は割とガルバリウム鋼板の屋根を叩く音がうるさく、今日の話題を思いつきました。
屋根は何で葺くのがいいのか問題。
我が家は先に書いたとおり、ガルバリウム鋼鈑の段葺きという工法で葺きました。 予算が安く済むことももちろんですが、シンプルな外観が好きで選びました。
大まかな選択肢としては・・・
①ガルバリウム鋼鈑(段葺き、縦ハゼ葺、瓦棒葺などいろいろ)
②和瓦葺(テカテカの釉薬のかかっていない「いぶし瓦」)
③洋瓦(平板瓦やS型瓦)
④化粧スレート葺(セメント製品)
当事務所ではあいにく施工例がないため、写真がありません。
あたりが一般的かと思います。
将来的にメンテナンス費用を考えると、②③は割れ以外の交換は基本的に不要だと思いますので、初期投資は①④よりは高いですが、将来的にはペイできると思います。
①は、前述の通り初期コストが安く、耐久性はありますが、雨音がちょっとうるさいかもしれません。 最近は当事務所も屋根の工法を変えたので以前より音問題は良いかもしれませんが。
あと、個人的な見解ですがメンテナンスの間隔を多少伸ばしても屋根に穴が空くわけでもないのでその点、気楽でもあります。
④は、もともと工業製品である化粧スレート板の素材自体は撥水性能が無く、塗膜で撥水しています。 そのため、塗膜の耐久性が屋根の耐久性に直結します。
そのため、塗膜が劣化すると下地に染み込み、漏水の原因となります。 よって、メンテナンスの間隔はきっちりと守らないと塗り替えだけでは済まず、構造の腐食を招き、屋根の下地からやり換えなど思わぬ出費を強いられます。 屋根を見て色が褪せたり、苔が生えるような状態だと要注意です。
そのため、当事務所では①②③が主な選択肢となります。
よく気にされる方がいらっしゃるのは、瓦だと屋根が重くて地震に弱いのでは?という質問です。
屋根が重いのは事実ですが、建築基準法では屋根が重いか軽いかにより、必要とされる耐力壁の量が異なります。 そのため、建築基準法に則って計算を行えば、構造的に不利になることは有りません。 昔の家は土を載せて瓦を葺いていましたが、現在の工法では桟木に引っ掛けて釘打ちを行っていますので、昔より屋根荷重も軽く十分に安全な工法だと思われます。
いま私が家を建てるとすると、年齢的に和風好みが強くなり、②を選ぶかも。
ただ、屋根材を選ぶのは、屋根の勾配と密接に関連するため、全体の見た目の問題も有り、設計の大きな分かれ目になります。 この点は十分に悩んでください。
屋根材選びは慎重に。 10年後のメンテナンスのコストとのバランスも忘れずに。
大林勇設計事務所
猛暑が終盤に近づいたかと思うと、雨やら雷やら・・・。 ここは、シンガポールかってほどの突然の雨。 まるで熱帯のようですね。
あまり激しい雨の日は割とガルバリウム鋼板の屋根を叩く音がうるさく、今日の話題を思いつきました。
屋根は何で葺くのがいいのか問題。
我が家は先に書いたとおり、ガルバリウム鋼鈑の段葺きという工法で葺きました。 予算が安く済むことももちろんですが、シンプルな外観が好きで選びました。
大まかな選択肢としては・・・
①ガルバリウム鋼鈑(段葺き、縦ハゼ葺、瓦棒葺などいろいろ)
②和瓦葺(テカテカの釉薬のかかっていない「いぶし瓦」)
③洋瓦(平板瓦やS型瓦)
④化粧スレート葺(セメント製品)
当事務所ではあいにく施工例がないため、写真がありません。
あたりが一般的かと思います。
将来的にメンテナンス費用を考えると、②③は割れ以外の交換は基本的に不要だと思いますので、初期投資は①④よりは高いですが、将来的にはペイできると思います。
①は、前述の通り初期コストが安く、耐久性はありますが、雨音がちょっとうるさいかもしれません。 最近は当事務所も屋根の工法を変えたので以前より音問題は良いかもしれませんが。
あと、個人的な見解ですがメンテナンスの間隔を多少伸ばしても屋根に穴が空くわけでもないのでその点、気楽でもあります。
④は、もともと工業製品である化粧スレート板の素材自体は撥水性能が無く、塗膜で撥水しています。 そのため、塗膜の耐久性が屋根の耐久性に直結します。
そのため、塗膜が劣化すると下地に染み込み、漏水の原因となります。 よって、メンテナンスの間隔はきっちりと守らないと塗り替えだけでは済まず、構造の腐食を招き、屋根の下地からやり換えなど思わぬ出費を強いられます。 屋根を見て色が褪せたり、苔が生えるような状態だと要注意です。
そのため、当事務所では①②③が主な選択肢となります。
よく気にされる方がいらっしゃるのは、瓦だと屋根が重くて地震に弱いのでは?という質問です。
屋根が重いのは事実ですが、建築基準法では屋根が重いか軽いかにより、必要とされる耐力壁の量が異なります。 そのため、建築基準法に則って計算を行えば、構造的に不利になることは有りません。 昔の家は土を載せて瓦を葺いていましたが、現在の工法では桟木に引っ掛けて釘打ちを行っていますので、昔より屋根荷重も軽く十分に安全な工法だと思われます。
いま私が家を建てるとすると、年齢的に和風好みが強くなり、②を選ぶかも。
ただ、屋根材を選ぶのは、屋根の勾配と密接に関連するため、全体の見た目の問題も有り、設計の大きな分かれ目になります。 この点は十分に悩んでください。
屋根材選びは慎重に。 10年後のメンテナンスのコストとのバランスも忘れずに。
大林勇設計事務所
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